Saturday, January 7, 2023

滋賀:マンション管理 適正化へ:地域ニュース - 読売新聞オンライン

 分譲マンションの棟数が県内で約半数を占める大津市は、運営が不十分な管理組合に指導・勧告することなどを定めた「市マンション管理適正化推進計画案」を公表した。今後急増する老朽化マンションに備えた取り組みで、基準を満たした管理組合には「お墨付き」の認定を与える制度も設けている。(林華代)

 市は計画案を市のホームページで公開し、パブリックコメント(意見公募)を24日まで実施し、今年度中の策定を目指す。

 国土交通省によると、全国には分譲マンションが約685万9000戸(2021年現在)あり、築30年以上が約3割を占め、10年後には約1・7倍になると見込まれている。マンションが適切に管理されずに老朽化すると、戸建て住宅に比べて住民への影響が大きく、管理組合の適正運営に自治体が関与することを定めたマンション管理適正化法が2020年に改正された。

 今回の計画案はこの法律改正を受けたもので、県内では、野洲市で管理組合がなく廃虚化したマンションを市が約1億円かけて解体した例があるなど、マンションの適正管理が課題として浮上している。

 特に大津市は、県内の分譲マンション515棟(22年3月末現在)の約5割を占める。市が市内の管理組合などに実施した調査では「管理規約がない組合、総会未開催の組合がある」「修繕積立金が国の目安を満たさない」「長期不在住戸がある」など数多くの課題が判明した。

 こうした現状を踏まえ、計画案では▽管理規約を作る必要性▽長期修繕計画の作成や見直し▽ハザードマップの浸水想定区域での防災対策――などを明記した指針を市がまとめ、管理組合に作成を促す。

 さらに管理組合に対して5年ごとに実態調査を実施し、管理不全の兆候があると判断したマンションには助言や指導、勧告などをする内容となっている。ただし罰則は設けない。

 また▽長期修繕計画の作成、見直しが7年以内に行われている▽修繕積立金額が著しく低額でない――などの条件を満たした管理組合は市が認定。認定されると、資産価値が高まり、税優遇などを受けられる可能性がある。

 同様の計画は県内ではすでに守山市が設けており、草津市も策定を検討中だ。大津、草津、守山3市で県内の分譲マンションの8割近くを占めることになる。

 一方、東京都豊島区や名古屋市はマンションの管理状況の届け出を義務化したうえで、届け出をしない場合はマンション名を公表しており、大津市より厳しい内容となっている。

 大津市の担当者は「(マンションの運営は)多様な価値観を持つ住民との意思決定や技術的な判断の難しさがある。サポートしながら、管理組合の自主的な取り組みを促したい」と話した。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 滋賀:マンション管理 適正化へ:地域ニュース - 読売新聞オンライン )
https://ift.tt/3MneVaY
Share:

0 Comments:

Post a Comment