地域秩序の保証人が脅威と化す恐れ
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2022年12月29日付)
帝政ロシアは19世紀の全盛期に中央アジアを瞬く間に支配下に置いた。ソビエト連邦の時代になると、この広大な地域におけるロシアの影響力はさらに強まった。
そして今、主にウラジーミル・プーチンがウクライナ征服を目指した戦争に失敗していることから、中央アジアの国々がロシアの庇護から抜け出し、1991年の共産主義崩壊以降には見られなかったやり方で自らの独立を主張している。
いきなり西側を頼らないが・・・
カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの中央アジア5カ国はいずれも慎重に行動している。
この地域の軍事、政治、経済そして文化におけるロシアの影響力はまだ強い。
5カ国が戦略を抜本的に組み直して中国や米国に、ましてや欧州連合(EU)やトルコに近づくなどと考えるのは非現実的だ。
また、中央アジア諸国の指導者たちがプーチンとの間に慎重に距離を置き始めていることを、国内の自由化と取り違えるべきではない。
保守的な独裁者たちが支配するこの地域には、政治勢力間の自由な競争など全く見られず、かえってその不在が目を引く。
カザフスタンとウズベキスタンで2022年に発生した暴動で示されたように、社会不安に対する体制側の懸念には十分な根拠がある。
独裁者らが統治する土地は大半がイスラム教社会であり、米軍が2021年にアフガニスタンから撤退してイスラム主義組織タリバンが権力を掌握したことを受け、イスラム過激派が勢力を広げる可能性を懸念している。
このため、同じ旧ソ連の共和国のジョージア(グルジア)、モルドバ、ウクライナなどに見られる西側の同盟への統合と民主主義を渇望する動きは、中央アジアでは再現されていない。
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