陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県郡山市)での性被害を実名で訴えた宮城県東松島市出身の元陸上自衛官五ノ井里奈さん(23)が30日、懲戒免職となった元隊員5人に550万円、国に200万円の賠償をそれぞれ求める訴えを横浜地裁に起こした。
同日、都内で会見した五ノ井さんは、加害者側との示談交渉で主張に食い違いがあったと明かし、「本当に反省していないと感じた。二度と同じことが起きないために真実を明らかにさせたい」と述べた。国に対しては「被害申告をした時にしっかり対応してくれなかった」と指摘した。
自衛官を志す契機となった東日本大震災の被災経験にも触れ、「自衛隊への感謝の気持ちは忘れていないし今でも好きだ。一人一人を大切にし、正しい正義感を持った組織になってほしい」と訴えた。
代理人弁護士によると、5人は2021年6、8月、演習場で五ノ井さんに無理やりキスをしたり、覆いかぶさって腰を動かしたりするなどした。国は五ノ井さんからの被害申告後に十分な調査をせず、性被害を常態化させた。
五ノ井さんは現役自衛官だった当時から上司に被害を申し出たが、調査は不十分なままだった。22年6月に自衛隊を辞め、実名で活動を始めた。
防衛省は同年9月、五ノ井さんに対する性被害の事実を認めて謝罪し、12月に5人を懲戒免職にした。郡山検察審査会は9月、加害者の不起訴不当を議決し、強制わいせつ容疑で再捜査が進んでいる。
防衛省は五ノ井さんの被害調査と並行し、全自衛隊を対象とした「特別防衛監察」に着手。セクハラやパワハラなどハラスメントの実態を調べるのが目的で、約1400件の被害申告があった。
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