19日の米国株式相場は反発。 アップルや テスラといった大型株が上昇を率いた。S&P500種株価指数は前週、6月中旬以来の大幅安となっていた。
株式相場は終盤までは方向感の定まらない展開だった。市場は今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で再び超大幅利上げが決まる可能性に身構えている。過剰な金融引き締めで景気がハードランディング(硬着陸)する確率を高めかねないと、不安が広がっている。米国債市場では10年債利回りが3.5%付近で推移。金融政策への感度が高い2年債利回りは、2007年以来の水準に上昇した。
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S&P500種は前営業日比0.7%上昇の3899.89。ダウ工業株30種平均は197.26ドル(0.6%)高い31019.68ドル。ナスダック総合指数は0.8%上昇。
市場の読みでは、FOMCは21日に政策金利を75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げ、いずれ4%を上回る水準に達した後はしばらくそのまま維持することを示唆する見通しだ。長期の株式保有戦略が根ざしているのは、FOMCが1970年代のストップゴー政策を採用しないという考えだ。75bpを上回る大幅利上げを予測する論拠があるかもしれないが、100bp利上げという衝撃はリセッション(景気後退)への不安を強めかねない。
ジョン・ハンコック・インベストメント・マネジメントの共同チーフ投資ストラテジスト、マット・ミスキン氏は「今回のFOMC会合は世界の市場が固唾(かたず)を呑んで見守っている」と指摘。「短期的な市場の反応を予想するのは、いろんなレベルでほぼ不可能だ。例えば1ポイントの利上げが囁(ささや)かれているために、0.75ポイントの利上げでもハト派的だと市場が受け止めることはあり得る」と説明した。
CFRAリサーチのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストーバル氏は100bpの利上げとなれば、「ウォール街を動揺させるだろう。FOMCが本来の計画から離れて、データに過剰反応していることを示唆するからだ」と説明した。
1982年と2009年に市場の底を予測し的中させた調査会社、ヤルデニ・リサーチのエド・ヤルデニ社長は今週のFOMCでは1ポイントの利上げがあると予想。パウエルFRB議長の発言とFOMC経済予測の両方がタカ派的な内容になる見通しだという。予想通りとなれば、S&P500種は現在の水準から6%近く下げて、6月16日に付けた安値3666.77を試す可能性があると同氏はみている。
米株式バリュエーションにリスク、ゴールドマンとモルガンSが警告
米国債市場では利回り曲線のフラット化が進行。10年債利回りが2011年以来で初となる3.5%超えとなったが、短期債利回りも数年ぶりの高水準に上昇した。ニューヨーク時間午後4時1分現在、10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.49%。一時は3.516%まで上昇した。2年債利回りは8bp高い3.94%。
BMOキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、イアン・リンジェン氏は「政策金利をターミナルレートで一定期間維持するというFOMCのコミットメントを額面通り受け止めるなら」、2年債利回りのターゲットとして4.25%という水準は「妥当な目標」と言えると述べた。
外国為替市場のドルは主要10通貨に対してまちまち。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は終盤にマイナス圏に落ち込み、0.1%低下。一時は0.5%上昇していた。ドルは対円で25銭高い1ドル=143円17銭。ユーロは対ドルで0.1%上昇し、1ユーロ=1.0025ドル。
ドル・円の下値付近には日銀のタカ派傾斜と市場介入のリスクを意識したビッドが集まっている。プットからコールを差し引いた1週間物のリスクリバーサルは、6月以来の高水準となった。
ニューヨーク原油先物相場は小幅続伸。ドルが軟調推移に転じたことが支えになった。市場では今週のFOMC決定を見極めようと、様子見姿勢が強かった。
原油は朝方には一時3.5%安の82ドル付近を付ける場面もあった。今週は複数の国・地域で中銀の政策決定会合が開催される。
みずほセキュリティーズUSAの先物部門ディレクター、ロバート・ヨーガー氏はこの日の午後になって価格が上昇したことについて、「朝方に見られた売られ過ぎ状態の反動だが、これによって何かが変わるということはない」と指摘。特に21日のFOMC決定にかけて、「こうした相場上昇が今後2日間続いたら、驚きだろう」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物10月限は前営業日比62セント(0.7%)高い1バレル=85.73ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント11月限は65セント高の92ドルちょうどで引けた。
ニューヨーク金相場は反落。金をさらに圧迫するリスクがある米金融政策決定に備える動きとなった。米金融当局の行動を巡る不透明感を背景に、市場は金の先行きに関して確信を持てない状況だ。
ブルー・ライン・フューチャーズのチーフ市場ストラテジスト、フィル・ストライブル氏は「FOMCがそれほどタカ派的でない場合、金価格は反発するだろう」と指摘。「パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見で何らかの軟調なトーンが示されれば、金先物は上昇する可能性がある」と述べた。
スポット価格はニューヨーク時間午後3時1分現在、前営業日比0.3%安。一時は0.9%下げる場面もあった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、0.3%安の1オンス=1678.20ドルで終了した。
原題: Stocks See Late-Day Rebound After Unnerving Twists: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries End Mixed With Curve Flatter; Front-End Yields Climb(抜粋)
US 10-Year Yield Rises to 3.5% for First Time Since 2011(抜粋)
Dollar Reverses Gain as Shares, Oil Prices Rise: Inside G-10(抜粋)
Oil Edges Higher as Dollar Weakness Overcomes Rate-Hike Fear(抜粋)
Gold Slips as Fed Fears Swirl Before Powell’s Decision Day(原題)
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