認知症が進んで、自宅での介護が難しくなるケースがあります。症状の表れ方や進み方は人それぞれですが、施設への入居という選択肢について調べておくことも大切です。
代表的な施設が「特別養護老人ホーム(特養)」です。介護職員や看護師がいて、入浴の介助や身の回りの世話などを24時間態勢で受けられます。入居施設の中で、比較的、費用が安いのが特徴です。
ただし、利用を申し込めるのは原則、要介護3以上。要介護1、2の人は、自宅での生活が難しいなど、やむを得ない事情が必要です。また、国の集計では約32万6000人が入居待ちをしていて、すぐに入居できるとは限りません。
「介護付き有料老人ホーム」は、特養と同じような介護態勢で、要介護度が低くても入居できます。ただし、利用料は特養よりも高めで、まとまった一時金が必要な施設もあります。
「認知症グループホーム」の利用者も増えています。民家を活用したものが多く、少人数で、家庭的な雰囲気で過ごせる施設です。個室があり、特養などと同じく、24時間、職員が常駐しています。
施設を選ぶ際は、求めるサービスを受けられるか、総額でどれくらいの費用がかかるかなどが重要です。医療機関との連携や、看取りへの対応状況などもしっかり確認したい点です。
難しいのは、いつ在宅から施設に切り替えるか。症状が軽いうちに引っ越して慣れた方がいい場合もありますし、最期まで住み慣れた自宅で暮らし続けられる人もいます。ケアマネジャーなど専門職と一緒に、本人の意向や家族の状況もふまえ、よく検討する必要がありそうです。
焦って決めるのは禁物
ケアマネジャーらでつくる「日本介護支援専門員協会」常任理事の垣内達也さん(64)=写真=の話
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在宅で介護を続けることが難しくなって初めて家族が相談に来るケースが目立ちますが、焦って決めるのは禁物です。
本人が安心できる場所であることが何より重要ですから、複数の施設を見学し、職員の対応や利用者の表情をよく見て判断してください。体験入居で施設での生活をイメージすることも大切です。
入居先が決まるまでの間は、特養などに一時的に宿泊する「ショートステイ」を利用する方法があります。また、訪問介護やデイサービス、ショートステイを組み合わせた「小規模多機能型居宅介護」の利用など、介護サービスの見直しで自宅での生活を続ける選択肢もあります。
施設に入居した後で、環境の変化によって暴言や抑うつなど「BPSD(行動・心理症状)」が生じる場合があります。施設と相談して、自宅で使っていた家具を持ち込ませてもらうなど、これまでの暮らしの雰囲気や習慣を大切にしてあげる配慮も必要だと思います。
からの記事と詳細 ( 認知症になる前に調べておきたい「施設入居」という選択肢…費用や本人意向など十分な検討を - 読売新聞オンライン )
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