安倍晋三元首相の銃撃事件以降、次々と明るみに出る宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」と政治の関係。
日本は憲法20条で、国が宗教団体に特権を与えることを禁じ、政教分離の原則を定めるが、「特権」の解釈はあいまいで、「政治家たちを利する形で運用されてきた」と、宗教と政治や経済活動との関係を研究する同志社大学神学部の小原克博教授は言う。
旧統一教会との問題は、こうした流れの一つに過ぎないといい、日本の政治と宗教の関係をどうとらえたら良いか、話を聞いた。
憲法20条の精神、骨抜きにされた背景
――前編でお話しいただきましたが、政教分離の原則を定める憲法20条の解釈について、先生のご見解を改めて聞かせてください。
政治家が過剰な特権を結果的に与えるようなことに対しては、厳に慎まなければならないというのが憲法20条の精神です。
【憲法20条】 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。 ②何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。 ③国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
今回の旧統一教会との問題は、安倍元首相や閣僚などが集会であいさつなどをしたことで、「私たちの団体は有名な議員の方々にちゃんとご支持いただいている」と、広い意味での「特権」を受ける形になっていたことです。
私は、政治家が宗教団体の開催する集会に行くこと自体は問題ではないと思っています。
宗教団体と一口にいっても…
からの記事と詳細 ( 政治家に利用された「政教分離」の解釈 憲法20条の精神は骨抜きに:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル )
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