[23日 ロイター] - ユーロ圏金融・債券市場では、域内 国債利回りが急低下した。欧州各国の低調な経済指標を受け、欧州中央 銀行(ECB)が9月の利上げを見送るとの見方が強まった。 市場では、ECBが9月に0.25%ポイントの利上げを決定する 確率を約40%と想定。前日は50%超だった。 S&Pグローバルがまとめた8月のドイツのHCOB総合購買担当 者景気指数(PMI)速報値は44.7と、2020年5月以来の低水 準となった。 また、S&Pグローバル/CIPSが23日発表した8月の英総合 購買担当者景気指数(PMI)速報値は47.9と、新型コロナウイル ス禍の2021年1月以来の低水準となり、経済成長率が第3・四半期 にマイナスに転じる可能性を示した。 ダンスケバンクのチーフアナリスト、ピエト・クリスチャンセン氏 は「PMIは金利が低下するという今夏前のシナリオに戻ったことを示 唆している」と述べた。 ドイツ10年債利回りは一時13.5ベーシスポイン ト(bp)低下の2.519%と8月10日以来の低水準を付けた。 ドイツ2年債利回りも同様に3%を下回った。 欧州連合(EU)統計局が23日発表した8月のユーロ圏消費者信 頼感指数(速報値)はマイナス16.0と、前月のマイナス15.1か ら0.9ポイント低下した。 米S&Pグローバルが23日発表した8月の米総合購買担当者景気 指数(PMI)速報値は50.4と2月以来、6カ月ぶりの低水準とな った。今年7月は52だった。 英国債利回りもイールドカーブ(利回り曲線)全体にわたり10b p以上低下した。 シティのエコノミストは顧客向けメモで「PMIデータを受け、高 インフレは過剰需要が要因ではなく、むしろ外生的ショックの結果であ り、低成長につながるとのハト派シナリオが強まった」と指摘。「EC Bはすでに過度な引き締めを実施した可能性が高い。きょうのPMIを 受け、9月利上げの可能性が低下し、理事会メンバーの想定よりも利下 げ時期が早まる可能性が高まった」とした。 JPモルガンは23日、ECBは9月に引き締めサイクルを一時停 止するとの見通しを示した。ユーロ圏の企業活動が予想を大幅に下回り 、ユーロ圏経済への低迷深化が示唆されているためという。その上で、 従来予想通り10月に最後の0.25%ポイントの利上げを決定すると 見込んだ。 <金利・債券> 米東部時間12時1 4分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 96.17 +0.06 96.11 独連邦債2年物 105.14 +0.23 104.91 独連邦債5年物 115.91 +0.70 115.21 独連邦債10年 132.56 +1.45 131.11 物 独連邦債30年 132.62 +2.92 129.70 物 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 2.972 -0.110 3.104 独連邦債5年物 2.519 -0.147 2.664 独連邦債10年 2.516 -0.139 2.655 物 独連邦債30年 2.627 -0.105 2.738 物 (ーからご覧ください)
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