そろそろ寒くなってきた。寝ながら紙の本を読む(だいたいは漫画だが)とき、手を布団の外に出しておくのがつらい時期である。そんな時にありがたいのが電子書籍だ。スマートフォンやタブレット、E Inkリーダーをスタンドに固定して目の前に設置しておけば、支えるために手を出しておく必要はない。
筆者は、紙の本の時代から、本を寝ながら読める仕組みを導入していた。自転車で転倒して鎖骨骨折になったときに導入したのがきっかけで、あおむけの状態で顔の前に書見台が来るような状態で本を読むというのを20年くらい続けている。最初の数年は紙の書籍だった。
これは読書に限らない。テレビ番組、映画なども寝ながら見られる。怠惰の極みだが、楽なものはしょうがない。Netflixなど一挙に10話、20話くらいのシリーズが出るときも、寝ているだけで消化が進むのでオススメだ。
映像コンテンツではOKだが、本を読む場合には1つ大きな問題がある。読書では数分ごとに発生する「ページめくり」だ。
ふとんから手を出して、ページをめくらなければならない。リアルな本のユーザー体験を模したために、寒い中、重力に逆らって手を持ち上げて、指を左から右にフリックしたり、ボタンを押したりするのだ。
文字ベースの書籍ならば1ページ(または見開き)の滞在時間が長いからまだいいが、漫画だとへたすると秒単位でページめくりイベントが発生する。これはちょっとした筋トレだ。いったいどこの筋肉部位が強化されるのか。むしろここにダンベルを仕込んでトレーニングしたらどうかとも想像したが、頭上にそんなものをぶら下げるのは危険すぎる。
まばたきで操作する、音声でページをめくる、布団の中から長い棒を操作してタップする、といったことも考えられるが、いずれも現実的ではない。何とかならんものかと思っていたら、すでに実践している人たちを見つけてしまった。やはりここはググレカスなのである。数年前にはなかったはずの情報だが、今では解決済みの問題なのだ。
人をダメにするリモコン
どういうことかというと、超小型のBluetoothリモコンを使うのである。しかも、このリモコンというのが手のひらに収まるくらいの大きさで安い。1000円もしない。これをタブレットやスマートフォンと接続し、ページ送り、ページ戻しができるのだ。
PCなどに接続したBluetoothキーボードであればスペースキーを押せば次のページに進むし、Shift+スペースなら前のページに戻るが、同様の仕組みが使えるようだ。だが、キーボードは布団の中に入れるには大きい。必要なキーだけで自作キーボードという線もあるが、使えることが分かっている小型デバイスがあるのならその方がいい。バッテリーも入っているし。
というわけで買ってみた。798円の製品だ。ゲームモードとキーボードモードがあり、ゲームモードに切り替えて使う。Bluetoothペアリングして、リモコンをゲームモードに設定。ジョイスティック的なボタンを上下に動かすと、それが電子書籍アプリではページ送り、ページ戻しに対応する。
Kindleアプリで試してみると、ちゃんと読書端末のリモコンとして動作する。布団の中からでもだ。
ただし、それができるのはAndroidで、iPhoneはダメだった。アプリ側の対応だろうか。まあ全然できないよりはいいし、Androidの有効な使い方ができる。iPhoneと違い、Android版Kindleはアプリ内で購入までできるのも良い。
この新しい読書スタイルを始めてから数日だが、Bluetoothリモコンは布団の右手が来る辺りに常備している。いやこれは便利。今日も寝落ち漫画三昧といくか。特にみぞれや雪が降るような、こんな凍える日には。
使用時の写真を撮るためにベッドに潜り込んで撮影したら、そこから出られなくなった。とんだトラップである。これは仕事なのだから、しばらく使い勝手を検証するからあともう少し、ここにいさせてくれ。
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