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メキシコ南部チアパス州で9日、トレーラーの衝突事故があり、コンテナ内にいた少なくとも54人が死亡した。けが人も多数出ている。当局が発表した。
当局などによると、トレーラーは走行中に横転し、橋に衝突した。コンテナ内は当時、中米からの移民150人以上でぎゅうぎゅう詰めの状態だったという。
事故現場の写真には、横転したトレーラーのそばに犠牲者がばらばらに倒れている様子が写っている。
白い布で覆った遺体らしいものの列も複数、確認できる。
チアパス州のルティリオ・エスカンドン知事によると、49人の死亡が現場で確認され、さらに5人が搬送先の病院で亡くなった。男性83人と女性22人の計105人が負傷したという。
チアパス州の住民保護当局のトップ、ルイス・マヌエル・ガルシア氏は、メキシコにおける過去最悪級の事故だと述べた。
救急当局によると、犠牲者には男性も女性もおり、子どもも含まれているという。被害者の国籍は確認されていないが、コンテナに乗っていた人のほとんどはホンジュラスやグアテマラからの移民だったという。
報道によると、トレーラーはチアパス州の州都トゥストラ・グティエレスに続く主要道路を高速で走行中、危険なカーブで横転し、歩行者用の橋に衝突した。
グアテマラとの国境があるチアパス州は、多くの不法移民が利用する入国の要所となっている。
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中央アメリカの貧困や暴力から逃れアメリカを目指す移民が毎年、何十万人もメキシコを通過しようとしている。
その多くは、密入国業者に代金を払う。業者は移民らをコンテナに危険なほど詰め込み、長旅に送り出す。
BBCメキシコ・中米特派員のウィル・グラント記者は、コンテナ内では十分な換気や水分補給がなされないことも多く、移民にとって非常に危険な旅になっていると伝えた。
国際移住機関（IOM）のデータによると、アメリカとメキシコの国境地帯は、世界の国境の中で最も死者が多い。今年だけでも少なくとも650人が、国境を越えようとして死亡している。これは、IOMが記録を取り始めてから最多だという。
同国境を目指して危険な旅に出て、途中で死亡する人も多い。ただ、そうした人たちの数を正確に把握するのは困難だと、IOMは声明で述べている。
メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は、今回の事故を「非常に痛ましい」とし、「この悲劇を心から悼んでいる」とツイートした。
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