[北京 3日 ロイター] - 中国広東省政府は3日、資金繰り難に陥っている不動産大手、中国恒大集団が債務返済に十分な資金を確保できる「保証はない」と表明したことを受け、同社の許家印会長を呼び出すとともに、社内のリスク管理などを監督するために作業チームの派遣を決めた。
同社は同日付の香港取引所への提出文書で、債権者から約2億6000万ドルの支払いを要求されたと明らかにした。恒大は既に、11月6日が期限だった8250万ドルの利払いの履行が遅れている。
文書は「現在の流動性の状況を踏まえると、財務上の義務を引き続き果たすために十分な資金を確保できる保証はない」とし、義務を果たせない場合、債権者は返済加速を求めるかもしれないとの見方を示した。
恒大が本拠地を置く広東省の政府は声明で、恒大の要請に応じて同社に作業チームを派遣し、リスク管理や内部統制強化、通常業務の続行を監督すると明らかにした。
この日は中央政府当局も恒大問題で相次ぎ声明を発表。
中国人民銀行(中央銀行)、中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)、中国証券監督管理委員会(CSRC)は別々に出した声明で、不動産業界全般へのリスクは抑制可能との認識を示し、投資家の不安払拭に努めた。
人民銀は「恒大問題は、同社自体の経営ミスや急激な事業拡大が主因だ」と指摘。不動産会社1社がもたらす短期のリスクが中長期的に市場の資金調達機能を損ねることはないとした。中国における不動産販売や土地購入、資金調達は「既に正常化した」との認識を示した。
銀保監会は、恒大問題が業界の通常活動に影響を与えることはないとし、賃貸保証業務の支援を強化する方針を示した。また、国内外の規制当局は恒大関連の問題に公正に対処するとの見通しを示した。
CSRCは、同問題による資本市場へのいかなる波及も「対処可能」とし、不動産開発業者の資金ニーズへの支援を継続するとした。
恒大は提出文書で、オフショア債務に関して「実行可能な再編計画」を策定するために債権者と積極的に対話する考えだと表明した。
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