国立国際医療研究センターはレムデシビルとバリシチニブを併用する臨床試験に参加する(ロイター=共同)
国立国際医療研究センターは、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)が主導する新型コロナウイルス感染症の重症患者に対する臨床試験に参加すると5月29日に発表した。国内で承認済みの「レムデシビル」(商品名ベクルリー)と関節リウマチ治療薬の「バリシチニブ」(オルミエント)を併用した際の治療効果を調べる。
同センターは3月末から、NIAID主導のレムデシビルの臨床試験「ACTT1」に参加していた。この臨床試験は、レムデシビル以外の有望な治療薬候補が見つかった場合に、その有効性を検証するための新たな治療群を追加できるデザイン(試験法)としている。今回参加を決めた臨床試験である「ACTT2」では、レムデシビルにバリシチニブを追加した際の有効性を調べる。
新型コロナウイルス感染症による重症呼吸不全は、サイトカインストーム(免疫機能の暴走)を特徴とする過剰な炎症状態に起因すると考えられており、バリシチニブの抗炎症作用による治療効果が期待されている。国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、「同薬は、宿主細胞内でのウイルスの増殖に重要な役割を果たす酵素を阻害するという報告もある」と説明。「同薬とレムデシビルの併用によって、相乗効果が得られるのではないか」(大曲センター長)と期待感を示した。
ACTT2では、対象者をレムデシビルとバリシチニブを併用する群と、レムデシビルとプラセボ(偽薬)を併用する群に均等に割り付ける。対象者の臨床状態(症状の重症度)は「入院する必要がなく、活動に制限が無い」状態をカテゴリー1、「死亡」をカテゴリー8とした8段階の尺度で評価する。
主要評価項目は、臨床試験に登録してからカテゴリー1、2、3のいずれかに回復するまでの時間とした。目標患者数は1000人程度で、海外では既に200人以上が登録されているが、「国立国際医療研究センターではまだ登録しておらず、同センターでの目標患者数も決まっていない」(大曲センター長)
■レムデシビル、回復早まるも死亡率に差なし
ACTT1の対象は、酸素吸入や人工呼吸器が必要といった条件を満たした重症患者。世界中から60以上の医療機関が参加し、合計1063人(データ解析の対象は1059人)が登録され、そのうち国立国際医療研究センターの登録患者は15人だった。
対象者をレムデシビルを投与する群(538人)と、プラセボを投与する群(521人)に割り付けた。重症度は8段階の尺度で評価し、主要評価項目は登録後、カテゴリー1、2、3のいずれかに回復するまでの時間だった。
暫定的なデータ解析の結果、レムデシビル群はプラセボ群と比較して、回復までの期間が31%短かった。また、回復までの期間の中央値は、レムデシビル群で11日間、プラセボ群では15日間だった。
試験開始から14日目までの死亡率は、レムデシビル群が7.1%、プラセボ群が11.9%で、明らかな差は認められなかった。また、重篤な有害事象の発生率でも両群に明らかな差は無かった。
大曲センター長は、「ACTT1では、全ての対象者で試験開始から29日目までの追加観察も終了しており、結果を精査している段階だ。最終的な結果について論文としてまとめる予定」と説明した。
(日経バイオテク 三井勇唯)
[日経バイオテクオンライン 2020年6月2日掲載]
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新型コロナ:レムデシビルと関節リウマチ薬の併用 臨床試験参加へ - 日本経済新聞
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