Sunday, June 28, 2020

74歳まで月21万円のローン返済、39歳夫の無謀なマイホーム購入計画(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース

 多くの方の家計相談を受けていると、「現実を見てほしい……」と思わされる人に出会うことがあります。収入に見合わない暮らしを望む人、減収をなかなか受け入れられない人など、さまざまです。将来どうなるかの想像がつかないために、現状を無視した「理想の暮らし」をしたがるのかもしれません。  現実を見ずに家計状況が悪化してしまった方は、その状況を改善するための方向付けをしていくのですが、自ら状況悪化への一歩を踏み出そうとする人は厄介です。まだ家計状況も資産状況も傾いておらず、普通にしていれば将来、何の問題もなく暮らすことが見込めるのに、自分の夢を追い求めて、自覚なく悪化へ向かおうとするのですから。 ● 夫が念願のマイホームのために 妻に無断で土地を購入!?  先日、妻に連れられ家計相談に来た会社員のKさん(39)は、「夫は外で働き、妻は家を守る」という昔の考えを忠実に守ろうとする方でした。夫婦には10歳と8歳の子どもがおり、十分な教育をさせたいと考えていました。Kさんは、このような家族のために一家の主として「しっかりした城(マイホーム)を構えたい」と考え、収入を上げる努力をしてきました。  そうした中で昨年、転職をしました。その結果、年収800万円だったのが、1000万円を超えるまでになりました。「自分はやればできる」という自信を持ったのかもしれません。ちょうどその頃、両親から「家を建てるときには1000万円贈与する」と言われ、がぜんマイホームが欲しい気持ちが高まりました。  当時の貯金は400万円。両親からの1000万円と合わせると、ある程度の頭金も出せそうです。住宅に興味を持った途端、いろいろな売り地が気になり始め、見て歩くようになりました。そして、気に入った土地があったので、近く家を建てるという条件付きで購入の申し込みをしたのです。

 妻がこの土地を買ったことを知ったのは、「どんな家を建てようか」と相談されたときでした。聞けば土地、建物合わせて8000万円、9000万円にもなるといいます。妻は驚き、「返済計画や将来のお金についてプロに相談したほうがよい」と勧めました。そのため、渋々ではありましたが、妻が安心するならと家計相談に来たのです。  Kさんの家計状況は、一カ月の収入が約50万円、支出は約51万円の赤字です。赤字分はボーナスでカバーしていますが、支給額は非常に不安定です。支出のうち、家賃は約13万円。住宅ローンの返済額が、この家賃負担分と大きく変わらなければ、全体的な支出の見直しなどで貯金ができる家計に生まれ変わることも可能です。しかし、Kさんが立てていたマイホームプランは、ローン返済額が毎月21万円で、さらにボーナス払いを併用する想定になっていました。  今より毎月8万円の負担増は、家計にとってかなりの痛手。ボーナスも毎回支給される保証はないので、ボーナス払いの併用は危険です。Kさんは「お金が足りないのなら、休日にアルバイトや副業をして何とかする」と言いますが、そういう問題ではありません。Kさんの理想のマイホームは「耐震性のあるつくりにしたい」「地下室も欲しい」などと条件がどんどん追加され、価格が高くなっていたのです。返済期間は35年の予定。40歳から返済を始めると、完済するときには74歳になっている計算です。 ● 「74歳までローン返済できる」 根拠がなくても自信満々の夫……  そんなKさんに老後の返済をどう考えているのか聞くと、「ローンが終わる74歳まで今と同じように働き続け、現役並みの収入を得るつもりだから、心配させない」と言います。そのようにできる可能性もゼロではありませんが、健康上のリスクも高まるため、働き続けて、かつ収入を現役並みに維持できる根拠はどこにもありません。失礼ながら私は頭を抱えてしまいました。あまりに現実も、将来も直視することができていないのです。  このままでは家計が破綻していくことは、細かな支出の状況を見なくても容易にわかります。私は、Kさんに事態を正しく理解していただくために、キャッシュフロー表を作成しました。すると、Kさんの言うように74歳まで現在の水準で働き続けられるとしても、お子さんの教育費などで収支は大幅な赤字に陥ることがわかりました。さらにKさんの退職後、預貯金がマイナスに転落します。  Kさんは現実にややショックを受けていたものの、子どもに手がかからなくなったら妻は専業をやめて働くとか、子どもは公立学校に通うだけでよいなどと、これまでのポリシーとは異なることを話し始めました。結局はマイホームの夢、自己満足をかなえたかっただけ……?と思ってしまいました。  住宅にかかる費用を抑えるならば、建物を一般的なクオリティーにするというのも一つの手です。どちらがよいか、それを決めるのは、Kさん夫婦。Kさんがその後どのような決定をしたのか、報告はまだ受けていませんが、「改めた」という連絡が来てほしいと願っています。  人には夢がありますし、時には貪欲さも必要です。ですが、長い人生において、特にお金の面では、良い意味で妥協することも大切です。欲しいものばかりを追うと、今までよかったもの全てが崩れてしまうこともあるのです。  (家計再生コンサルタント 横山光昭)

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June 29, 2020 at 04:01AM
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