日産自動車は29日、横浜市で株主総会を開催した。同社は過去の拡大路線の失敗などで経営不振に陥っており、総会で内田誠社長兼最高経営責任者（CEO）は「日産を必ず成長軌道に戻す」と表明。「自動車事業のフリーキャッシュフローは悪化しているが、危機に対応する十分な資金を持っている」と語った。
総会の議案は、内田社長やアシュワニ・グプタ最高執行責任者（COO）などを含む12人の取締役の再任だ。今回の総会は、現体制下で出した本決算と中期経営計画を受けて初めて開かれた。
内田社長は総会で「顧客に新たな価値を提供し、ブレークスルー（画期的な進歩）を起こす。それこそが日産のDNA」と語り、自動車の電動化や自動運転技術の開発に注力する方針を示した。日産、仏ルノー、三菱自動車との3社連合（アライアンス）については「売上高と利益にどう貢献できるかに尽きる」と述べるにとどめた。
日産は2019年9月に西川広人前社長が辞任し、12月に後任として内田社長が就任。今年2月の臨時株主総会でグプタCOOなど4人の取締役が新たに選任され、現在の取締役の体制となった。
日産は元会長のカルロス・ゴーン被告が10年代に進めた拡大路線が失敗し経営が悪化。今年に入ってからは新型コロナウイルスの感染拡大の影響も業績を揺さぶっている。20年3月期の連結決算は構造改革費用や減損損失の計上もあり、最終損益は6712億円の赤字（前の期は3191億円の黒字）だった。内田社長は総会で業績について「配当見送りなどでご迷惑をかけた」とおわびした。
5月28日には再建に向けて24年3月期までの中期経営計画を発表した。生産能力の2割削減やモデル数の2割削減などの構造改革を盛り込んだ。固定費を3000億円削減し、22年3月期には売上高営業利益率を2%、24年3月期には5%に回復させる計画だ。
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June 29, 2020 at 08:50AM
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日産が株主総会、内田社長「危機対応の資金は十分」 - 日本経済新聞
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