Sunday, June 28, 2020

分娩促進に用いるオキシトシンなど、分娩監視措置のある医療機関で連続モニタリングが必要—厚労省 - メディ・ウォッチ

2020.6.29.(月)

分娩促進に用いる「オキシトシン」(販売名:アトニン他)、「ジノプロスト」(販売名:プロスタルモン他)、「ジノプロストン」(販売名:プロスタグランジン)については、「分娩監視装置を用いて母体・胎児の状態を連続モニタリングできる設備を有する医療施設において、分娩の管理についての十分な知識・経験および本剤の安全性についての十分な知識を持つ医師のもとで使用する」こととし、トイレ等を除き「常時、分娩監視装置を用いて連続的にモニタリングを行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う」ことが求められる—。

また多くの輸液について、▼高窒素血症の患者▼乏尿のある患者▼重篤な腎障害のある患者―のうち、「透析・血液ろ過を実施している患者」は【禁忌】を解き、透析の方法や患者の状態を踏まえて【慎重投与】とする―。

厚生労働省は6月25日に通知「『使用上の注意』の改訂について」を発出し、こうした点について製薬メーカーに改訂を指示するとともに、医療現場に対し注意喚起を行いました(厚労省のサイトはこちら)。

薬剤部から診療部・看護部等への十分な情報提供が必要です。また、場合によっては病院の薬剤部から近隣のマタニティクリニックなどへの十分な情報提供が求められます。


(1)分娩誘発などに用いる「オキシトシン」(販売名:アトニン−O注1単位、同5単位、後発品あり)

▽【警告】の項において、本剤を分娩誘発、微弱陣痛の治療の目的で使用するにあたり「分娩監視装置を用いて母体・胎児の状態を連続モニタリングできる設備を有する医療施設において、分娩の管理についての十分な知識・経験および本剤の安全性についての十分な知識を持つ医師のもとで使用する」旨を追記する。また、患者への「本剤を用いた分娩誘発、微弱陣痛の治療の必要性および危険性の十分な説明と同意取得」は、本剤の使用に先立って行うこととする

▽同じく【警告】の項において、「本剤投与中は、トイレ歩行時など医師が必要と認めた場合に一時的に分娩監視装置を外すことを除き、分娩監視装置を用いて連続的にモニタリングを行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う」旨を追記する

▽【重要な基本的注意】に項において、本剤を分娩誘発、微弱陣痛の治療の目的で使用するにあたり▼母体・胎児の状態を十分に監視するため分娩監視装置を用いた連続的なモニタリングを実施する▼分娩監視装置を用いた連続的なモニタリング中に、トイレ歩行時など医師が必要と認めた場合に短時間のモニタリングの一時中断は可能であるが、長時間のモニタリングの中断は行わない—旨を追記する


(2)妊娠末期における陣痛誘発・陣痛促進・分娩促進などに用いる「ジノプロスト」(販売名:プロスタルモン・F注射液1000、同2000、後発品あり)

▽【警告】の項において、本剤を妊娠末期における陣痛誘発、陣痛促進、分娩促進の目的で使用するにあたり、「分娩監視装置を用いて母体・胎児の状態を連続モニタリングできる設備を有する医療施設において、分娩の管理についての十分な知識・経験および本剤の安全性についての十分な知識を持つ医師のもとで使用する」旨を追記する。また、患者への「本剤を用いた分娩誘発、微弱陣痛の治療の必要性および危険性の十分な説明と同意取得」は、本剤の使用に先立って行うこととする

▽同じく【警告】の項において、「本剤投与中は、トイレ歩行時など医師が必要と認めた場合に一時的に分娩監視装置を外すことを除き、分娩監視装置を用いて連続的にモニタリングを行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う」旨を追記する

▽【重要な基本的注意】に項において、本剤を分娩誘発、微弱陣痛の治療の目的で使用するにあたり▼母体・胎児の状態を十分に監視するため分娩監視装置を用いた連続的なモニタリングを実施する▼分娩監視装置を用いた連続的なモニタリング中に、トイレ歩行時など医師が必要と認めた場合に短時間のモニタリングの一時中断は可能であるが、長時間のモニタリングの中断は行わない—旨を追記する


(3)妊娠末期における陣痛誘発並びに陣痛促進に用いる「ジノプロストン」(経口剤)(販売名:プロスタグランジンE2錠0.5mg「科研」)

▽【警告】の項において、「分娩監視装置を用いて母体・胎児の状態を連続モニタリングできる設備を有する医療施設において、分娩の管理についての十分な知識・経験および本剤の安全性についての十分な知識を持つ医師のもとで使用する」旨を追記する。また、患者への「本剤を用いた分娩誘発、微弱陣痛の治療の必要性および危険性の十分な説明と同意取得」は、本剤の使用に先立って行うこととする

▽同じく【警告】の項において、「本剤投与中は、トイレ歩行時など医師が必要と認めた場合に一時的に分娩監視装置を外すことを除き、分娩監視装置を用いて連続的にモニタリングを行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う」旨、さらに「慎重に投与する」(点滴静注製剤に比べて調節性に欠けるため)旨を追記する

▽【重要な基本的注意】に項において、▼母体・胎児の状態を十分に監視するため分娩監視装置を用いた連続的なモニタリングを実施する▼分娩監視装置を用いた連続的なモニタリング中に、トイレ歩行時など医師が必要と認めた場合に短時間のモニタリングの一時中断は可能であるが、長時間のモニタリングの中断は行わない—旨を追記する


(4)高カロリー輸液用基本液である「カロナリーL輸液」「同M輸液」「同H輸液」「ハイカリック液-1号」「同2号」「同3号」「ハイカリックNC-L輸液」「同NC-N輸液」「同NC-H輸液」「リハビックス-K1号輸液」「同-K2号輸液」

▽【禁忌】の項において、従前の「乏尿の患者」「高窒素血症の患者」「重篤な腎障害のある患者」を削除し、新たに▼高窒素血症の患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)▼乏尿のある患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)▼重篤な腎障害のある患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)―を追加する

▽【慎重投与】の項に、「透析・血液ろ過を実施している▼重篤な腎障害▼高窒素血症▼乏尿―のある患者」を追記する

▽【重要な基本的注意】の項において、「透析・血液ろ過を実施している▼重篤な腎障害▼高窒素血症▼乏尿―のある患者における、▼水分▼電解質▼尿素等の除去量▼蓄積量―は透析の方法・病態によって異なる。血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始および継続の可否を判断する」旨を追記する


(5)アミノ酸・ビタミン加総合電解質液である「アミカリック輸液」「パレセーフ輸液」「パレプラス輸液」

▽【禁忌】の項について、従前の「重篤な腎障害のある患者」「高窒素血症のある患者」「乏尿のある患者」を削除し、新たに▼重篤な腎障害のある患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)▼高窒素血症の患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)▼乏尿のある患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)―を追加する

▽【慎重投与】の項に、「透析・血液ろ過を実施している▼重篤な腎障害▼高窒素血症▼乏尿―のある患者」を追記する

▽【重要な基本的注意】の項において、「透析・血液ろ過を実施している▼重篤な腎障害▼高窒素血症▼乏尿―のある患者における、▼水分▼電解質▼尿素等の除去量▼蓄積量―は透析の方法・病態によって異なる。血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始および継続の可否を判断する」旨を追記する


(6)総合アミノ酸製剤である「アミゼットB輸液」「アミニック輸液」「プレアミン-P注射液」「ハイ・プレアミン注」「ハイ・プレアミンS注」「プロテアミン12注射液」「モリアミンS注」「モリプロンF輸液」

▽【禁忌】の項について、従前の「重篤な腎障害のある患者」「高窒素血症のある患者」を削除し、新たに▼重篤な腎障害のある患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)▼高窒素血症の患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)―を追加する

▽【慎重投与】の項に、「透析・血液ろ過を実施している▼重篤な腎障害▼高窒素血症―のある患者」を追記する

▽【重要な基本的注意】の項において、「透析・血液ろ過を実施している▼重篤な腎障害▼高窒素血症―のある患者における、▼尿素等の除去量▼蓄積量―は透析の方法・病態によって異なる。血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始および継続の可否を判断する」旨を追記する


(7)総合アミノ酸製剤である「アミパレン輸液」「プラスアミノ輸液」

▽【禁忌】の項について、従前の「重篤な腎障害のある患者」「高窒素血症のある患者」を削除し、新たに▼重篤な腎障害のある患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)▼高窒素血症の患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)―を追加する

▽【慎重投与】の項に、「透析・血液ろ過を実施している▼重篤な腎障害▼高窒素血症―のある患者」を追記する

▽【重要な基本的注意】の項において、「透析・血液ろ過を実施している▼重篤な腎障害▼高窒素血症―のある患者における、▼尿素等の除去量▼蓄積量―は透析の方法・病態によって異なる。血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始および継続の可否を判断する」旨を追記する


(8)肝性脳症改善アミノ酸注射液である「アミノレバン点滴静注」「テルフィス点滴静注」「ヒカリレバン注」

▽【禁忌】の項について、従前の「重篤な腎障害のある患者」を削除し、新たに「重篤な腎障害のある患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)」を追加する

▽【慎重投与】の項に、「透析・血液ろ過を実施している重篤な腎障害のある患者」を追記する

▽【重要な基本的注意】の項において、「透析・血液ろ過を実施している重篤な腎障害のある患者における、▼尿素等の除去量▼蓄積量―は透析の方法・病態によって異なる。血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始および継続の可否を判断する」旨を追記する


(9)経口・経腸で栄養補給が不能・不十分な患者に対する▼水分▼電解質▼カロリー▼アミノ酸▼ビタミン▼微量元素の補給に用いる「エルネオパNF1号輸液」「同NF2号輸液」「ネオパレン1号輸液」「同2号輸液」「ミキシッドL輸液」「ミキシッドH輸液」

▽【禁忌】の項において、従前の「乏尿の患者」「高窒素血症の患者」「重篤な腎障害のある患者」を削除し、新たに▼高窒素血症の患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)▼乏尿のある患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)▼重篤な腎障害のある患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)―を追加する

▽【慎重投与】の項に、「透析・血液ろ過を実施している▼重篤な腎障害▼高窒素血症▼乏尿―のある患者」を追記する

▽【重要な基本的注意】の項において、「透析・血液ろ過を実施している▼重篤な腎障害▼高窒素血症▼乏尿―のある患者における、▼水分▼電解質▼尿素等の除去量▼蓄積量―は透析の方法・病態によって異なる。血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始および継続の可否を判断する」旨を追記する


(10)糖・電解質・アミノ酸等液である「ツインパル輸液」「ビーフリード輸液」

▽【禁忌】の項において、従前の「乏尿の患者」「高窒素血症の患者」「重篤な腎障害のある患者」を削除し、新たに▼高窒素血症の患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)▼乏尿のある患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)▼重篤な腎障害のある患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)―を追加する

▽【慎重投与】の項に、「透析・血液ろ過を実施している▼重篤な腎障害▼高窒素血症▼乏尿―のある患者」を追記する

▽【重要な基本的注意】の項において、「透析・血液ろ過を実施している▼重篤な腎障害▼高窒素血症▼乏尿―のある患者における、▼水分▼電解質▼尿素等の除去量▼蓄積量―は透析の方法・病態によって異なる。血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始および継続の可否を判断する」旨を追記する


(11)高カロリー輸液用糖・電解質・アミノ酸等液である「ピーエヌツイン-1号輸液」「同-2号輸液」「同-3号輸液」「フルカリック1号輸液」「同2号輸液」「同3号輸液」「ワンパル1号輸液」「同2号輸液」

▽【禁忌】の項において、従前の「乏尿の患者」「高窒素血症の患者」「重篤な腎障害のある患者」を削除し、新たに▼高窒素血症の患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)▼乏尿のある患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)▼重篤な腎障害のある患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)―を追加する

▽【慎重投与】の項に、「透析・血液ろ過を実施している▼重篤な腎障害▼高窒素血症▼乏尿―のある患者」を追記する

▽【重要な基本的注意】の項において、「透析・血液ろ過を実施している▼重篤な腎障害▼高窒素血症▼乏尿―のある患者における、▼水分▼電解質▼尿素等の除去量▼蓄積量―は透析の方法・病態によって異なる。血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始および継続の可否を判断する」旨を追記する


(12)肝不全用アミノ酸注射液である「モリヘパミン点滴静注」

▽【禁忌】の項において、従前の「重篤な腎障害のある患者」を削除し、新たに「重篤な腎障害のある患者(透析・血液ろ過を実施している患者を除く)」を追加する

▽【慎重投与】の項に、「透析・血液ろ過を実施している重篤な腎障害のある患者」を追記する

▽【重要な基本的注意】の項において、「透析・血液ろ過を実施している重篤な腎障害のある患者における、▼尿素等の除去量▼蓄積量―は透析の方法・病態によって異なる。血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始および継続の可否を判断する」旨を追記する

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