Monday, June 22, 2020

医療体制支援など要望へ 21年度予算編成、福島県が政府に46項目 - 福島民友

 県は22日、2021年度の政府予算編成に向けた国への提案・要望として46項目を決めた。新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、本県の復興に遅れが生じないよう、国を挙げた対応を求めるとともに、本年度で復興・創生期間が終了することを踏まえ、期間終了後を見据えた中長期的な財政確保を要請する。

 22日の新生ふくしま復興推進本部会議で決定した。前年度の42項目から4項目増加した。内堀雅雄知事は22日の定例記者会見で「避難地域の生活環境整備や帰還困難区域の復興・再生、風評・風化への対応、新型コロナによる甚大な被害からの再生など、引き続き十分な体制と財源の確保を求めていく」と述べた。

 新型コロナ対策では、経済活動の回復や教育現場でのICT(情報通信技術)環境整備、感染再拡大を視野に入れた医療提供体制の確保への支援を求める。新型コロナの影響による東京五輪・パラリンピックの延期に対する財政支援も盛り込んだ。

 復興・創生期間終了後の財源については、政府が21~25年度の5年間の復興事業に必要な予算規模を「1兆円台半ば」と試算、今夏にも正確な事業規模などを算出し、それに見合う財源確保の方針を示す。このため県は、期間終了後の本県復興・創生を支える十分な財源措置を要望する。移住促進や交流人口拡大に注力する方針の改正福島復興再生特別措置法を巡っては、被災地が使いやすい柔軟な運用を求める。

 また福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の推進に向け政府が浜通りに整備を検討する国際教育研究拠点について国立研究開発法人化を図ることや長期的な予算、人員の確保などを要望する。

 イノシシなど避難地域での鳥獣被害対策に向けた技術開発や試験研究の推進、避難指示解除に伴う学校再開への支援、継続的な教職員の加配措置などに関する支援なども盛り込んだ。

 内堀知事が24日に上京し、官邸や各党、関係省庁に要望する。内堀知事は「復興・創生期間の最終年度を迎え、極めて重要な局面。本県の復興創生を進める上で、全て重要な項目」と強調。新型コロナの影響を踏まえ、当初はテレビ会議などの活用も含めて手法を検討していたが、全ての都道府県との往来を含む外出自粛要請が解除されたことを受け、例年同様、上京して提案・要望する。感染拡大防止の観点から最小限の人数で行う方針だが、内堀知事は「対面しての要望で、われわれの気概、熱い思いをまっすぐに伝えたい」と述べた。

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