外国人の個人旅行の解禁など、新型コロナの水際対策が大幅に緩和され、来日する外国人の増加が見込まれる中、高山市の病院では受け入れ体制の整備の遅れを懸念しています。
高山市の高山赤十字病院は岐阜県北部の飛騨地方最大の総合病院で発熱外来を設置するなど新型コロナへの対応も行っています。
第7波の感染急拡大で、ことし8月下旬から9月はじめにかけて、多いときには1日100人近くが発熱外来を訪れたほか、感染や濃厚接触などで職員が出勤できない状態に陥りました。
このため、9月11日まで一部の病棟では新たな入院患者の受け入れを中止し、救急外来についても受け入れを制限する事態となりました。
それからわずか1か月後に水際対策が大幅に緩和され来日する外国人の増加が見込まれるという状況に、病院側は懸念を抱いています。
病院では急ピッチで新型コロナに感染した外国人患者を受け入れる準備を進めていますが問診票や治療代を記した書類はいずれも新型コロナに対応した形式ではなく、発熱など感染が疑われる場合に利用するウェブ上の問診は日本語だけなど、外国人がスムーズにアクセスできなないおそれがあります。
さらに発熱外来では、検査結果が出るまで車で待つことになっていますが、外国人の場合、徒歩などで病院を訪れるとみられその場合の十分な待合スペースが確保できていません。
看護師の日下部弓さんは「PCR検査を英語で説明するだけでもかなり難しい。スムーズな対応ができなかったりかなり長い時間待たせることにならないか。システムとしてもう少ししっかりしてから受け入れるのでなければかなりの不安を感じる」と話していました。
また竹中勝信副院長は「とんとん拍子で外国人観光客が来ることが決まってしまい、まだどうしていいかわからないというのが本当の病院の現状ではないか。現場はコロナ前のイメージだけで、いわゆるコロナ後の外国人対応についてはまだシミュレーションできていない」と話しています。
地元・高山市では外国人観光客の受け入れ再開を見越して、ことし5月、外国人のための「ワンストップ医療相談窓口」を開設しました。
外国人が不調を訴えた場合、専用の電話番号に電話すると無料で対応するもので、日本語以外に英語や中国語でも病状などを聞き取り医療機関などを紹介するものです。
ただこれまで実績はありません。
高山市海外戦略課の永田友和課長は「利用した場合に制度自体が医療機関や外国人、市民のためになっているかよくよく検証が必要だ。医療機関の懸念もあるので連携を取っていきたい」と話しています。
からの記事と詳細 ( 水際対策大幅緩和 医療機関は懸念|NHK 岐阜県のニュース - nhk.or.jp )
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