無差別に人々を襲い、自らも死を望むような事件が相次ぎ、惨劇へと駆り立てるものは何かという重い問いを突きつけている。マイノリティー(少数者)を排除する風潮を危惧し、過剰なほどコミュニケーション力が求められる社会であえて「自閉」の可能性を提唱する、精神科医の松本卓也・京都大学准教授に聞いた。
まつもと・たくや 1983年生まれ。専門は精神病理学。著書に『心の病気ってなんだろう?』『人はみな妄想する』など。
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初めに言っておきたい。近年、ショッキングな事件が起こるたびに一部の精神科医や心理学者、脳科学者がマスメディアに登場し、精神疾患や異常心理が事件の背景にあることを示唆し、さらには危険な存在であるかのような発言をしてきたことを、僕は深刻な事態と考えている。
専門家がやるべきは、人々の生きづらさに耳を傾け、少しでも生きやすくなるための支援である。それなのに、いかに読者や視聴者が身を守るか、そのために「危ない人間たち」を排除するかが中心に報じられる。結果的に、専門家が社会の偏見や差別を助長することに手を貸している。
危惧する理由は、精神医療に…
からの記事と詳細 ( 精神科医が唱える「自閉」の可能性 過剰コミュ社会を生きるために - 朝日新聞デジタル )
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