2021年01月12日14時24分
英政府が「トシリズマブ」と「サリルマブ」の二つの薬を新型コロナウイルス感染者の治療に有効と認め、8日から集中治療室(ICU)の患者への投与を広く開始した。
―どういう薬か。
関節リウマチの薬だ。トシリズマブは大阪大学と中外製薬が共同開発し「アクテムラ」という製品になっている。炎症を起こすタンパク質インターロイキン6(IL―6)の「世界初の阻害剤」として知られる。サリルマブも働き方は一緒でフランスの製薬会社サノフィが「ケブザラ」という商品名で販売中だ。
―新型コロナにも効くのか。
新型コロナの感染者の一部は急に容体が悪化する。肺炎がひどくなりICUで治療が必要になる。免疫が暴走して過剰な炎症が起きる「サイトカインストーム」だが、トシリズマブとサリルマブにはこれと闘う力があるのではないかと考えられている。
―ウイルスをやっつけるのではないのか。
違う。インフルエンザの治療薬「タミフル」のようにウイルスの増殖を止めてしまうわけではない。新型コロナでは「レムデシビル」が同じ役割を期待されている。免疫の暴走と闘う薬としては「デキサメタゾン」が既に英国でも認められている。英国はもう一つ武器を手にしたことになる。
―日本ではどうか。
治験が進められているところだ。今回はあくまでも英政府が、英国の予算を使い英国の病院で行った臨床試験の結果、有効性を認め、英国で新型コロナ患者に使えるようにした。新型コロナと闘う薬を見つけるための臨床試験は世界中でいろいろな形で行われていて、これもその一つだ。薬の効き方は人種などさまざまな条件によって違う。みんなが使えるようになるまで、こうした一歩ずつの積み重ねが重要だ。(時事)
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