[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米株式市場では、個人投資家の買いを背景に急騰しているビデオゲーム販売のゲームストップなどの激しい値動きが、市場全体のボラティリティーの前ぶれではないかとの懸念が浮上している。
このところ個人投資家とヘッジファンドの攻防が続くゲームストップは、29日までの1週間で400%急騰した。
一部の市場関係者は、同社やアメリカン航空、空売り残高が多いその他の銘柄の値動きについて、米連邦準備理事会(FRB)の政策や政府の新型コロナウイルス追加経済対策への期待、ワクチン接種に伴う景気回復への期待に支えられた株高の中で副次的な動きとみている。
パウエルFRB議長は27日、FRBの超低金利政策と大規模な債券買い入れが資産バブルにつながっているとの指摘に賛同しない立場を示した。
しかし、FRBの金融政策が過剰なリスクテークを促したのではないかという一部の投資家の懸念は払しょくされていない。S&P総合500種は昨年3月以降66%上昇し、株価は過去20年間で最も割高な水準付近にある。
DAダビッドソンのウェルスマネジメント調査部長ジェームズ・レーガン氏は、ゲームストップ株などの値動きについて「間違いなく懸念材料だ」とし、「少なくとも相場調整の可能性があることを考慮する必要がある」と述べた。
また、こうした動きと20年前のIT(情報技術)バブルの類似点を指摘し、「一部の投資家が異常な値上がりを追い求めていること自体、ドットコムバブルを彷彿とさせる」と語った。
米投資家の心理状態を数値化したシティグループの「パニック・ユーフォリア指数」が陶酔状態の高まりを示すなど、株高の行き過ぎを警告するサインは既に一部で点滅している。
今後、市場のボラティリティーを一段と高める可能性があるのは、ヘッジファンドが空売りで出した損失を穴埋めするため保有株式の売却を余儀なくされた場合だ。ただ、株式市場全体にリスクをもたらすほどの規模になるかは不透明だ。
個人投資家の取引増加自体が、市場の泡立った状況を示すものとみる向きもある。ボストン・パートナーズのグローバルマーケッツ調査部長、マイク・マレイニー氏は「市場のバブルを考えると、最後に参入してくるのは個人投資家だ。現在起きているのは概してそうした状況だ」と語った。
一方、LPLフィナンシャルのアナリストは、上昇相場の広がりは依然として健全で、クレジット市場も問題なく機能していると指摘し、ゲームストップ株などの最近の動きが幅広い市場のバブルを示唆しているわけではないとの見方を示した。
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