Tuesday, January 26, 2021

ソニー、新「Crystal LED」国内発表。高コントラストモデルと高輝度/低反射モデルの2種類 - PHILE WEB - PHILE WEB

lihatterang.blogspot.com ソニーは、Crystal LED モジュラーディスプレイシステムの新モデル2シリーズを発表した。

「Crystal LED」Cシリーズ、Bシリーズ

ソニーの米国法人の先行リリース、並びにCES 2021での発表が国内にて正式に発表された格好だ。

今回発表されたのは、2017年に初号モデルを展開している「Crystal LED」の最新モデル。高いコントラストと豊かな階調表現が特徴の“Cシリーズ”「ZRD-C12A」「ZRD-C15A」と、外光の反射に影響されず高輝度を得られる“Bシリーズ”「ZRD-B12A」「ZRD-B15A」。これにくわえ、最新モデル対応のディスプレイコントローラー「ZRCT-300」。いずれも今夏発売予定となっている。


ディスプレイコントローラー 「ZRCT-300」

黒の引き締まった表現に磨きをかけた新モデルは、これまでにないレベルのクリエイティブ表現の場を出来るものとしていると説明。なお、従来モデルのリニューアルでは無くラインアップ拡充という扱いで、従来機「ZRD-2」「ZRCT-200」も併売する。これによって、ユーザーにより多くの選択肢を提供すると同社は説明している。

継ぎ目のないモジュール式のLEDタイルで構成されており、様々なサイズやレイアウト、解像度に対応。バックヤード不要な省スペース設計となっており、壁掛け・カーブした壁面への湾曲設置が可能としているほか、ファンレスによる静音設計、フロントからのアクセスが可能など、複数台を組み合わせてシステム構築をする上でのユーザビリティを確保している。電源はAC100-240Vに対応。


複数台を用いたシステム構築に考慮した筐体設計

Cシリーズは、画面の表面処理として「ディープブラックコーティング」を施し、100万対1という高コントラストを実現。一方のBシリーズは「HighBrightness」の「B」に命名の由来がある高輝度モデル。外光の反射を抑えた表面処理により、広色域を維持しながら明るい環境でも視認性に優れる高輝度1,800カンデラを誇る。両シリーズともに1.26mm/1.58mmのピクセルピッチに応じたプロダクトを用意している。

開発においては、白飛び、黒の潰れなど従来機に感じるマイナスポイントを踏まえ、「映像は黒で決まる」という目標の下、黒の沈み、黒の階調性の再現性に尽力したとのこと。一方で、黒にこだわるユーザーだけでなく、映像制作の現場のような、照明が常に照らすような明るい環境における鮮やかな視認性といった別口のニーズもあったため、黒の階調表現を追求したCシリーズ、明るい環境で使用でき外光の反射も抑えたBシリーズという2つのシリーズを用意するに至ったという。

ロケが困難な昨今、増加傾向にある表現技法として、演者が巨大なLEDパネルの前に立って表現を行うバーチャルプロダクション。この状況下での使用を考慮し、演者背面に当たるLEDパネルからの光を打ち消すため、役者正面から当てられる強めの照明下でも鮮やかな映像を映し出せる高輝度を実現。ソニー・ピクチャーズエンタテインメントの協力の下、Bシリーズが開発された。


映像制作における「Crystal LED」の使用例

また、本機は従来のCrystal LEDで培った制御技術と、ブラビアの信号処理技術を融合させた独自の映像エンジン「X1 for Crystal LED」を搭載。

内部データベースを用いたパターンマッチング機能によりソースに応じたアップコンバートを実施する「リアリティクリエーション」、大画面における撮像ボケを低減し、高精細な映像を滑らかな動きを表現する「モーションフロー」、8ビット/10ビット機などの汎用LEDで発生するカラーバンディングを解消する「22ビットスーパービットマッピング」といった機能を備え、鮮やかな映像表示を可能としている。

価格は「顧客の要望によってシステムを組むので一概には言えない」としつつ、「あくまで参考程度になるが、4K 220インチで本体価格が6,600万円程度になる見込み。ここに設置費用などが別途かかるイメージだ」とのこと。

なお、使用するマイクロLED素子は従来の自社開発から他社製のものに切り替えたことにより、従来品と比較してリーズナブルな導入価格を提供できると説明。一方で、そうしたマイクロLED素子を高度に制御する独自技術と「X1 for Crystal LED」によって高画質化も実現したとしている。

企業ロビー、ショールーム/博物館、先述の通り映像制作の現場への納入が主となるB2B向けのプロダクト。コンシューマー用途への展開については「将来的に形にすることが出来ればとは思うが、現在のところ特に検討していない」という。

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