ちょうど1年前の6月5日、札幌市で当時2歳だった池田詩梨ちゃんが衰弱して死亡し母親と交際相手の男が起訴された事件で、警察が押収したスマートフォンを調べたところ、亡くなる直前のやせ細った詩梨ちゃんの動画が残されていたことが捜査関係者への取材で新たにわかりました。
札幌市の池田莉菜被告(22)と、同居していた交際相手の藤原一弥被告(25)の2人は去年、池田被告の長女の詩梨ちゃん(当時2)に十分な食事を与えず衰弱させたまま死亡させたなどとしてすでに起訴されています。
これまでの捜査で、警察が藤原被告のスマートフォンを押収してデータを確認したところ、亡くなる直前のやせ細った詩梨ちゃんの動画が残されていたことが捜査関係者への取材で新たにわかりました。
動画は藤原被告が撮影したと見られるということです。
逮捕当時の調べに対し藤原被告は事件への関与を否定していたということで、いずれ開かれる裁判員裁判では詩梨ちゃんの死因との関わりなどが争点になる見込みです。
しかし、事件から1年がたった今も裁判に備えた整理手続きは始まっておらず、2人の初公判が開かれる見通しは立っていません。
亡くなった池田詩梨ちゃんが母親らと住んでいた札幌市中央区のマンションの前には、事件から1年たった5日も花束が供えられていました。
周辺は日中も人通りがまばらで、ひっそりとしていました。
札幌市の秋元市長は記者会見で「改めて、亡くなったお子さんに心から哀悼の意を表すとともに、2度とこのようなことが起こることがないように市長として決意を新たにした。子どもの命を守ることを最優先に考えて、全庁あげて再発防止に取り組みたい」と述べました。
【行政の課題は】
事件を教訓にして再発防止につなげようと専門家などで作る第三者委員会はことし3月、検証報告書をまとめました。
この中で、行政の問題点を大きく2つ指摘しています。
1つ目は、虐待につながりかねない状況だったのにリスクについて十分な分析や評価がなされなかったこと。
2つ目は、そうした情報が各担当部署の間で共有されなかったことです。
本来であれば、詩梨ちゃんのケースでは行政や医療機関などが連携して対策を考える要保護児童対策地域協議会、いわゆる「要対協」が開かれるべきでしたが、そもそも情報の共有がなかったため「要対協」の必要性すら検討されず、具体的なサポートに結びつくことはありませんでした。
【動きだした再発防止策】
これまで「要対協」が開かれるかどうかは、実際の現場では、担当する個々の職員の判断に重きが置かれていました。
詩梨ちゃんのケースでは、乳幼児健診を受けていなかったり(10か月健診)、極端な低身長や低体重がわかるなど(1歳半健診)、異変に気づくチャンスがあったのに担当者のところで情報が止まっていました。
そこで事件後は、対応マニュアルを改訂するなどして判断を担当者任せにせずに上司を交えて複数の目でチェックするよう徹底しています。
札幌市保健所の地域健康・母子健康担当課の阿部位江子課長は「今回の事件では、担当者1人ですべてを背負い判断するというところも見られた。支援方針についてはしっかりと組織で判断して、つなぐべきところにしっかりつなぎたい」と話していました。
また、市は、担当部署どうしがパソコン端末で情報を共有できるようシステムを改修し、来年度には運用を始めたいとしています。
このほか、市の児童相談所は今年度から土日も職員を常駐させて急を要するケースに対応できるようにするなど、体制を強化しました。
【専門家からは厳しい指摘も】
札幌市のこうした取り組みについて児童虐待の事例に詳しい関西大学の山縣文治教授は「私の中では『当然ですよね』のひと言です。制度が出来ていることと、目的に従って適切に機能していることは全く別の話です。制度を作ったからこれで安心ですというふうに思わずに、担当者が身につけていくことが必要です」と話していました。
詩梨ちゃんのようなケースを2度と起こさないためにも、行政には1つ1つの情報を精査し必要な支援につなげていけるような取り組みが求められています。
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June 05, 2020 at 04:51PM
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札幌2歳女児衰弱死事件から1年|NHK 北海道のニュース - nhk.or.jp
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