Friday, February 28, 2020

茂木氏「十分な成果があがるように」 習近平氏国賓来日 - 産経ニュース

安倍晋三首相(写真右)と面会する楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(ヨウケッチ)・中国共産党政治局員=28日午後、首相官邸(春名中撮影)
安倍晋三首相(写真右)と面会する楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(ヨウケッチ)・中国共産党政治局員=28日午後、首相官邸(春名中撮影)

 安倍晋三首相は28日、来日した中国外交担当トップ、楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(よう・けつち)共産党政治局員と会談し、4月上旬に予定する習近平国家主席の国賓来日に向けて調整を進めた。日本側は、中国国内で肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染が広がっても延期を持ちかけず、中国側の判断に委ねてきたが、最近は慎重な姿勢も見せ始めた。

 習氏の国賓来日は与野党に反対論があるが、政府は「両国が世界の平和と安定に責任を果たす意思を、内外に示す機会にしたい」(首相)として、予定を変えずに準備を進めてきた。

 しかし、中国は新型肺炎対策を進めるため、3月5日開幕予定だった全国人民代表大会(全人代)を延期した。政府関係者は「予定通り訪日する可能性は日に日に乏しくなっている」と分析する。

 茂木敏充外相は28日の衆院予算委員会で、「現時点で(訪日)予定に変更はない」としながらも、「中国国家主席の訪日はだいたい10年に1度のことで、十分な成果があがるようにする必要がある」とも語った。

 「十分な成果があがる」見通しがなければ、4月上旬の来日にこだわる必要はない-。茂木氏の言葉は、来日日程に含みを持たせたようにも聞こえる。

 対中交渉に携わる外務省幹部は「中国は、習氏が日本の国民にどう思われるかすごく気にしている」とも説明する。ただ、中国側も面目を重視してか、来日を延期する考えは示さない。

 外務省によると、国賓として来日する外国要人も、天皇陛下との会見は30日以前までに申し込む「30日ルール」が適用される。訪日を予定する4月上旬まで間もなく約1カ月に迫るが、日中両政府は、延期をどちらが先に言及するか、依然として“チキンゲーム”を続けている。(原川貴郎)

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