Thursday, February 13, 2020

山スキー遭難 リスクを認識し十分な装備を - 読売新聞

 自然の雪山を滑って楽しむスキーで、遭難事故が多発している。リスクの啓発を強化し、事故の抑止につなげたい。

 北海道と長野県で先月末から今月にかけて、山でスキーやスノーボードをしていた男性計3人が雪崩に巻き込まれて死亡した。このうち2人はフランス人と英国人だった。

 事故はいずれもバックカントリー(BC)と呼ばれる、ゲレンデ外の圧雪されていない斜面で起きた。北海道では、この10年間の冬山遭難事故の8割近くが、BCを滑走中に発生している。

 BCスキーは近年、美しい風景と新雪を満喫できるという理由から愛好者が増えている。ただ、手つかずの自然は危険と隣り合わせだという点に注意が必要だ。

 特に暖冬の今年は解けた雪が固まり、その上に積もった新雪が滑り落ちる「表層雪崩」が起きやすい。冬山では滑落や天候の急変にも気をつけねばならない。

 十分な食料や装備品を持たずに入山するスキーヤーも少なくない。予備の防寒着や、雪崩に巻き込まれた時に居場所を知らせる小型発信機などは必須とされる。天候や滑走ルートを事前にチェックしておく姿勢が欠かせない。

 最近は日本のパウダースノーを求めて来日する外国人スキーヤーも多い。自治体やスキー場は、入山時の心構えや必要な装備品などの情報を日本語以外でも発信することが大切である。

 スキーは生活の足や狩猟の道具からスポーツ・レジャーへと発展した歴史がある。本場の欧州では、自然の雪山を滑るBCスキーを自己責任で楽しむ意識が強い。

 日本では各スキー場がゲレンデの安全管理を担い、管理区域外については危険を警告する掲示板などを設置するケースが目立つ。

 管理区域外でBCスキーを楽しむ以上、自らの責任が問われるのは当然だ。ただ、ひとたび遭難が起きれば、大規模な捜索が必要となり、二次遭難の恐れもある。

 北海道のニセコ地区はゲレンデからBCに出るゲートを設け、小型発信機とヘルメットを装着しないスキーヤーは、ゲートを通さないというルールを決めた。

 遭難事故が起きた際に迅速な救助ができるよう、入山時に下山予定時刻や滑走ルートを記した登山届を提出させる地域もある。

 2022年の北京冬季五輪を機に日本を含む東アジアでスキー需要が高まると期待される。安全確保のため、BCスキーに関する一定のルールも必要ではないか。

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