Thursday, February 20, 2020

社説:クルーズ船対応 十分な検証が不可欠だ - 秋田魁新報

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で起きた新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の集団感染で、乗客の日本人男女2人が死亡した。いずれも80代。船内で発症して病院搬送され、入院中だった。同船の乗員乗客で感染による死者が出たのは初めて。

 ダイヤモンド・プリンセスには約3700人が搭乗。これまでに600人以上の感染が確認された。政府は2週間の健康観察期間を設け、乗客を客室待機させて隔離する対策を取ってきたが、一向に感染が収まらないため、国内外から批判する声が上がっていた。死者が出たことで、さらに厳しい目が注がれるのは必至である。

 早期の封じ込めを狙った政府にとって、感染者がこれだけ増えたのは、大きな誤算だろう。「客室待機後は感染防止を徹底していた」と正当性を主張しているものの、一連の対応が適切だったかどうかについては、専門家を交えて詳細に分析した上で、しっかり検証する必要がある。

 乗客の香港人男性が香港で下船後に、新型肺炎に感染していることが判明したのが今月1日。横浜港に停泊して3日に検疫が行われ、乗客が客室待機する2週間の健康観察期間が5日から始まった。その後、乗客の感染が相次いで確認され、さらには乗員の感染も判明。船内で感染がまん延していることが浮き彫りになった。

 国立感染症研究所は、多くの感染は、客室待機が始まった5日よりも前にすでに起きていたとの分析結果を報告。客室待機は有効な対策だったとした。一方で、感染は客室待機が始まった後も止まらなかったとの見方も示した。

 食事提供などのサービスを行うため、客室を巡回するなどの業務を行う乗員を介して感染が広がったとすれば、大きな問題だ。船内の感染防止対策に不備があったか、徹底されていなかった可能性がある。

 ダイヤモンド・プリンセスには、日本以外に欧米やアジア、中東諸国などからも多くの人が乗船していた。それだけに、日本政府がこの危機にいかに対応するかについては、世界が注目している。そのことを忘れてはならない。

 英国や米国の専門家は、そもそも船はウイルスが増えやすい場所であるとして、客室待機によって船内に人をとどめたこと自体を疑問視。「明らかに日本の措置は機能しなかった」などと批判した。台湾の専門家からも、感染防止の基本的認識を欠いた対応だなどと手厳しい声が上がっている。

 日本政府が経験のない事態に直面して後手後手に回り、混乱した印象は否めない。国内外から上がる厳しい意見を謙虚に受け止め、感染症に関する危機管理を根本から見直すことも視野に、今後の対応を考えるべきである。

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