野村ホールディングスが29日発表した2019年4~9月期連結決算(米国会計基準)は最終損益が1944億円の黒字(前年同期は60億円の赤字)となり、4~9月期として米国会計基準を採用した02年3月期以降で最高となった。個人営業部門は苦戦が続いたが、保有する野村総合研究所(NRI)の株式売却益が利益を押し上げた。
野村HDは7月に自社株買いの原資を確保するため、グループで持つNRI株の一部を売って733億円の売却益を計上した。前年同期に発生した米国司法省との和解費用などの影響も消え、利益を押し上げた。
トレーディングも好調だった。米国の長期金利低下に伴うトレーディング収益が増え、法人部門の税引き前当期純損益は前年同期の赤字から389億円の黒字に転じた。この結果、国内の個人営業部門とアセットマネジメント部門を合わせた主要3部門の税前利益合計は前年同期比65%増の805億円に拡大した。会見した北村巧財務統括責任者は「非常に強い決算」と強調した。
一方、店舗統廃合や営業員の大規模な担当変更を実施した個人営業部門の利益は58%減に沈んだ。構造改革に伴う一時費用に加え、「米中貿易摩擦などを背景に(個人の)投資マインドが低下した」ことで株式売買や投資信託販売が減った。株式売却益や相場要因を除くと、全体としては厳しい環境が続いている。
野村HDは海外トレーディング事業の不振などで前期に1000億円を超える赤字を計上した。22年3月期までに計1400億円のコスト削減を目標とする経営の構造改革については、6割強まで完了したとしている。
2019-10-29 10:30:24Z
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51545660Z21C19A0EE9000/
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