パナソニック スマートファクトリーソリューションズ社と日本アイ・ビー・エム株式会社は、半導体製造工程における新規商品開発についての協業を発表した。
パナソニックでは回路形成プロセス事業において、半導体製造工程向けにドライエッチング装置、ウェハを切り出すプラズマダイサー、金属接合性や樹脂密着性を高めるプラズマクリーナー、高精度ボンディング装置などのエッジデバイスなど、日本IBMでは高度プロセス技術(APC)、故障・予兆管理(FDC)などのデータ解析システム、上位レイヤーの製造管理システム(MES)などをそれぞれ開発販売している。
今回の協業では、日本IBMとパナソニックの共同で開発するデータ解析システムをパナソニックのエッジデバイス(半導体製造機器)に組み込んだ「高付加価値化システム」で、総合設備効率(OEE)の最大化と高品質なモノづくりを実現するというもの。
具体的には、共同開発の演算アルゴリズムを用いて、先端パッケージング新工法として注目されるプラズマダイサーのレシピ自動生成システムを開発。製品ごとに異なるダイシング形状(エッチング形状)を入力するだけで、数百種の組み合わせからなる装置パラメータの自動生成を可能とし、製品の立ち上げ時間短縮、エンジニアリングコストの低減を図れるとする。試作を重ねて調整が必要なため、従来は数週間必要だったカッティングが、レシピの自動生成によって2~3日で完了するという。
前後工程の品質変動に対して装置パラメータを自動補正するAPCシステムにも応用可能で、加工形状を維持して高品質なダイシングプロセスを目指すとしている。
プラズマクリーナーにFDCを組み込んだプロセスコントロールシステムも開発。装置稼働データを取り込み、データ解析で異常値を判別し装置状態の自動判定が可能で、装置のメンテナンス箇所や保守タイミングを出力、故障予知や予知保全でメンテナンス時期の最適化と停止時間を短縮し、稼働率の向上を目指す。
それらの高付加価値化システムと日本IBMのMESを連携することで、工場全体でのOEE最大化と高品質なモノづくりを実現するとしている。
記者説明会にはパナソニック株式会社 代表取締役専務執行役員 コネクティッドソリューションズ社 社長の樋口泰行氏、同社 上席副社長 プロセスオートメーション事業部 事業本部長 兼 パナソニック スマートファクトリーソリューションズ株式会社 代表取締役社長の青田広幸氏、日本アイ・ビー・エム株式会社 代表取締役社長の山口明夫氏、同社専務執行役員 エンタープライズ事業本部 パナソニック エンタープライズ事業部長の武藤和博氏が登壇。
樋口氏は、製造機器の分野でも見える化が進み、機器間フィードバック/フォワードやデータ分析による予兆管理などが可能となったほか、熟練者のノウハウをシステム化するといった流れ起きていると述べ、今回の日本IBMとの連携はエッジデバイスからの情報と分析技術の融合であり、両者の先進技術を組み合わせたソリューションとして、日本発で世界に発信していきたいと語った。
2019-10-15 07:38:20Z
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1212750.html
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