豪州のカンタス航空(QFA/QF)は、19時間におよぶ超長距離フライトの調査飛行を開始した。1回目の調査飛行となったのはニューヨーク(ジョン・F・ケネディ)発シドニー行きで、1万6200キロを19時間16分で飛行した。今後はロンドンからシドニーへも調査し、実現に向けたデータを収集する。
調査飛行となったニューヨーク発シドニー行きQF7879便には、受領したボーイング787-9型機(登録記号VH-ZNI)を投入。ニューヨークを現地時間10月18日午後9時に出発し、翌々日20日午前7時10分にシドニーへ到着するスケジュールで運航した。カンタス航空は現在、ニューヨーク-シドニー線をロサンゼルス経由で運航している。経由便の場合、22時間20分かかる。
QF7879便は米国からのデリバリーフライトを活用したもので、通常は米国にあるボーイングの工場で機体が引き渡された後、豪州へ乗客なしで向かうが、今回は乗客乗務49人が搭乗し、パイロット4人が運航した。このほか、客室内には予備のパイロットが2人控えた。調査ではパイロットの脳波を測定したほか、体内時計を調整するホルモン「メラトニン」なども検査した。
カンタス航空は、豪州発着のニューヨークやロンドンへの直行便就航を目指すプロジェクト「Project Sunrise」を発足。今回のニューヨークからの直行便を合わせ、3回の調査飛行を計画している。今後、11月にはロンドンから、12月にはニューヨークから、それぞれシドニーへの直行便を運航し、調査を進める。
豪州-ニューヨーク線やロンドン線を実際に開設するかは、調査飛行の結果や経済性、航空当局の承認、労使合意を踏まえた上で、今年12月までに決定する見通し。開設できると判断した場合、2022年から2023年の就航を計画する。これらの路線に対し、エアバスはA350 XWBを、ボーイングは777Xをカンタスに提案している。
カンタス航空は2018年3月に、パース-ロンドン線を直行便で就航。1万4498キロを17時間で飛行している。カンタス以外の航空会社では、シンガポール航空(SIA/SQ)がシンガポールとニューヨーク対岸のニュージャージー州ニューアークを結ぶ世界最長路線を2018年10月11日に復活。飛行時間は約19時間で、A350の超長距離型となるA350-900ULR(Ultra-Long Range)を投入している。
関連リンク
カンタス航空
カンタス航空
・カンタス航空、787で19時間の調査フライト 豪州-NY・ロンドン直行便視野に(19年8月23日)
・米運輸省、アメリカンとカンタス共同事業を最終承認(19年7月22日)
・カンタス航空、A380残り8機キャンセル 既存機は運航継続(19年2月8日)
・787で17時間 カンタス航空、最長路線18年就航(16年12月19日)
シンガポール航空が19時間フライト
・シンガポール航空、19時間の世界最長NY便再開 A350-900ULR投入(18年10月13日)
・シンガポール航空、A350-900ULR受領 18時間超の世界最長NY便飛ばす超長距離型(18年9月23日)
2019-10-21 10:59:00Z
https://www.aviationwire.jp/archives/187486
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