- 疑惑のあったウラン粒子の件の1つについてイランは十分な回答を提示し、2015年の核合意(現在は無効になっている)のもとで導入された監視装置の一部を再設置した
エルサレム:6月4日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はイランの核施設を攻撃するという警告を繰り返し、IAEAはイラン政府と対決することを怠ったと非難した後、めったに開かれない内閣戦時訓練を招集した。
イランは核爆弾2個の製造に十分な量のウランを濃度60%まで濃縮しており、さらに精製を進めた場合(イランはそのような意図も計画もないと否定しているが)、国際的外交による解決が失敗に終われば、イスラエルは専制攻撃を行うと繰り返し表明してきた。イスラエル歴代政権は以前からこの外交方針を維持しているため、イランは現実的な軍事的脅威に直面していることになる。
「我々はイランの核(問題をめぐる動向)、イスラエルに対するミサイル攻撃、これらの戦線が合流する可能性に対抗して行動する決意がある」とネタニヤフ氏は、テルアビブの軍司令部にある地下壕から動画で声明を発表し、このように述べた。
ネタニヤフ氏は治安担当閣議のメンバーと軍高官に囲まれながら、この複数の戦線の可能性によって、イスラエル指導部は主要な決定について「可能であれば前もって」考慮する必要があると述べた。
イスラエル首相官邸は訓練の様子を映した動画を公開した。1981年のイスラエルによるイラクの原子炉攻撃や、2007年のシリアでの同様の攻撃は事前の警告なしに行われており、今回の訓練をめぐる活発な広報活動はそのような先行事例とは様相を異にしている。
IAEA、イランは十分な回答を行ったと表明
先週、国際原子力機関(IAEA)は、疑惑のあったウラン粒子の件の1つについてイランは十分な回答を提示し、2015年の核合意(現在は無効になっている)のもとで導入された監視装置の一部を再設置したとする報告書を発表した。ネタニヤフ氏はこれに対し、IAEAを手厳しく批判した。
「イランはIAEAに対し嘘をつき続けている。IAEAがイランの圧力に屈したことは、その経歴上の汚点だ」とネタニヤフ氏はテレビ放送された閣僚に対する発言で述べている。ネタニヤフ氏はまた、IAEAは問題を政治化するというリスクを冒し、その結果イラン問題での重要性を失うだろうとも指摘した。
IAEAはコメントを拒否した。
5月31日、IAEAはこれまで数年間の調査は進捗が見られなかったものの、今回イランはウラン粒子が検知された3か所のうち1つについて満足のいく説明を行ったと報告した。
これらの粒子の存在はかつてソ連が管理する鉱山と研究施設がそこにあったことで説明できるものであり、IAEAはそれ以上の疑問を持たなかったと、ウィーンのある外交官は明らかにしている。
おそらくはこの件を念頭に置いて、ネタニヤフ氏はイランの説明は「技術的にありえない」ものだと述べた。
しかし、上記の外交官によると、IAEAはイランが核兵器に関連する爆発物のテストをその場所で行ったという判断も保持している。
2018年に当時のドナルド・トランプ米大統領がイランとの核合意を破棄してから、イラン政府はウラン濃縮を進めてきた。イスラエルおよび西側諸国高官は、数週間以内にイランがウラン濃度を60%から兵器製造が可能な90%に引き上げる可能性もあると発言している。
2012年に国連で行った演説の中で、ネタニヤフ氏はイランによるウラン濃縮が90%に達することは先制攻撃のきっかけとなりうる「越えてはならない一線」だとしていた。
もっとも、イスラエル(軍事先進国であり、核兵器を保有していると考えられている)が遠距離で分散し、防御の固いイラン国内の標的に長期的な損害を与えるだけの非核攻撃力を有しているかどうかについては、軍事専門家の間でも意見が割れている。
イスラエル国内の注目をイランに引きつけることは、ネタニヤフ氏にとっては数か月来続く司法制度改革案をめぐる危機を棚上げにする効果を持つ可能性がある。だが、世論調査の結果によると、イスラエル国民にとってはこれら2つの問題のいずれも、生活費の上昇ほどの重要性は持っていない。
ロイター
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