Saturday, November 18, 2023

「前時代的な体質」の宝塚、全劇団員に調査へ…OG「外部漏らし ... - 読売新聞オンライン

 宝塚歌劇団の (そら) 組に所属する女性(25)が死亡した問題で、過剰な業務を強いた組織的な問題点を探るため、歌劇団が全劇団員約400人を対象に聞き取り調査に乗り出したことが関係者への取材でわかった。年内にも第三者委員会を設置して調査結果を検証し、行き過ぎた上下関係や理不尽な慣習の改善策をまとめる。

 宝塚歌劇団が組織風土を変革するための調査を始めたのは、「非常識」とも言われる様々な慣習が、過度な業務や指導につながったとの声があるからだ。

 宝塚OGによると、宝塚音楽学校時代から、上級生に膝立ちのまま謝り続けたり、ノートに反省文を書いて暗唱したりし、入団しても上級生から 叱責しっせき されることが常態化。内部のことを外に話すことは「外部漏らし」として厳に戒められ、家族にすら相談できずに、心と体を壊していく劇団員もいたという。

 宝塚OGは「新たな調査では、過去に遡って広く聞き取りすべきだ。 しき伝統を認めた上でないと根本的な改革にはならない。前時代的な体質を見直さなければならない」と話した。

 新たな調査では、歌劇団側が聞き取りを行う方針だが、演劇関係者は「本音を語りづらくなるので阪急電鉄や歌劇団ではなく最初から第三者が行うべきだ。これを機に組織のうみを出し切らないと、もう後はない」と強調した。

 歌劇団は阪急電鉄を創業した小林一三氏によって設立され、現在も組織上は阪急電鉄のエンターテインメント事業を担う部門の一つだ。だが、内部では独立した団体と位置付けられており、理事会を設けて独自に意思決定や業務を執行してきた。

 阪急電鉄は各組の世話役として鉄道事業出身のベテラン社員を配置し、一定程度、歌劇団に関与してきたが、親会社の阪急阪神ホールディングス(HD)の幹部は「『自治』を尊重し、劇団の内部には立ち入ってこなかった」と明かす。

 企業統治に詳しい高田剛弁護士は「自治を尊重する文化が醸成され、それが悪い方向に働いたと言える。企業として管理責任を果たせていないと批判されても仕方がない」と指摘する。

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