Thursday, November 9, 2023

基調的物価は2%へ徐々に上昇も、「十分な自信ない」-日銀総裁 - Bloomberg - ブルームバーグ

日本銀行の植田和男総裁は9日、賃金動向などを反映する基調的なインフレ率が目標の2%に向けて徐々に高まっていくとしながらも、「まだ十分な自信はない」と語った。参院財政金融委員会で答弁した。

  総裁は2%を上回って推移している消費者物価について、輸入物価上昇の価格転嫁といったコストプッシュ型と賃金・物価の好循環に基づく基調的なインフレ率に大別できると説明。足元の物価上昇の主因である前者の影響は今後減衰していくとする一方、後者は2%に近づく見通しを持っているが、「もう少し自信を持てるようになりたい」と述べた。

  日銀は10月31日の金融政策決定会合後に公表した経済・物価情勢の展望( 展望リポート)で、消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)の前年比上昇率を2023年度から25年度まで上方修正した。3.0%上昇した22年度から3年連続で2%を超える見通しを示したが、持続的・安定的な目標実現を見通せる状況ではないとしており、総裁はこの日の国会答弁でその根拠を説明した。

  総裁は、物価目標実現にある程度の自信を持てるまで現在のマイナス金利とイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の枠組みを維持するとの見解を改めて表明した。その上で、解除の順序は目標実現が見通せた時の経済・金融情勢に大きく依存するとし、「現時点でそこを決めたり、決めて表明するということはなかなかできない」と述べた。

Bank of Japan Governor Kazuo Ueda News Conference After Rate Decision

日銀の植田和男総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  目標実現の見通しを持つには、「賃金と物価の好循環が強まっていくかどうかを確認することが重要だ」と説明。一部で積極化している賃金・価格設定行動が定着するかなどを見極めたいとし、そのためには「来年の春季労使交渉の動向が重要な要素の一つになる」との認識を改めて示した。

他の発言

  • 物価の先行きを見通すためには、賃金がある程度以上上がることは極めて重要
  • 中央銀行には通貨発行益存在、一時的に財務が悪化しても政策運営能力に支障ない
  • 中銀財務リスクに注目集まれば無用の混乱生じて信認低下のリスク、財務の健全性確保は重要

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(発言の詳細を追加して更新しました)

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