Friday, November 24, 2023

特別柵に収容のシカ“虐待認められず” 奈良市が調査結果発表|NHK ... - nhk.or.jp

奈良公園のシカを保護している団体が施設内に収容しているシカに十分なエサを与えていないなどと指摘されている問題で、調査を進めていた奈良市は、24日、「虐待は認められなかった」と発表しました。

奈良公園のシカを保護している「奈良の鹿愛護会」は、農作物を食い荒らすなどしたシカを施設内にある「特別柵」というエリアに収容していますが、専属の獣医師から十分なエサを与えずに衰弱させているという通報が県や奈良市などに寄せられました。
これを受けて奈良市は、法律に基づいて獣医師や大学教授による立ち入り調査などを進めてきましたが、24日、「虐待は認められなかった」とする調査結果を発表しました。
市によりますと、シカの一部は栄養不良で、エサやりや水やりも不十分だったということですが、故意とは認められず、虐待を裏付ける証拠もなかったということです。
一方、調査結果では、衰弱して死亡するシカが多いことや過密に収容されている点などを指摘していて、市は愛護会に対し、改善を求める行政指導を行ったということです。
奈良市の仲川市長は、「虐待ではないことが確認できたが、シカが望ましい状態で暮らしているのかについては疑問が残る。改善の余地はあり、特別柵のあり方について今後、議論していく必要がある」と話していました。

【獣医師“疑問感じる”】
県や市などに通報した「奈良の鹿愛護会」の獣医師、丸子理恵さんは、「市の調査に携わった専門家の中にシカのエサの専門家がいない。調査で、エサの質や量について具体的な指摘がないことに疑問を感じる。特別柵のシカは私が通報した後も死んでいて、事態は改善されていないと思う」と話していました。

【愛護会“指針示してほしい”】
市の調査結果について「奈良の鹿愛護会」の山崎伸幸 事務局長は、「虐待はなかったという客観的事実が認められ、われわれの主張が調査で明らかになった」と述べました。
また、会では、特別柵に収容されているシカのうち、人に慣れていないシカを別の区画に移して密度を減らす新たな取り組みを始めたということですが、「収容するシカの数が増え続けるかぎり衛生状況を保つのは困難だ。県や市などに収容する頭数の上限を示してもらい、それに基づいて運営していきたい」と話していました。

【奈良県は特別柵のあり方検討】
特別柵での収容をめぐっては、奈良県がすでに施設の環境が不適切だとする調査結果を示し、まずは、「奈良の鹿愛護会」が有識者のアドバイスを受けて環境を改善するべきだとしています。
そのうえで県は、今後の「特別柵」のあり方について検討するため、獣医師や農業関係者なども加えた部会を設置して、1年後をめどに対策を示すことにしています。

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