40、50代の幹部クラスが転職活動を活発化させています。転職市場が活況とはいえ、この世代・クラスの転職は若手のように「応募者の中から誰かが相対比較で採用される」というわけではなく、高い絶対基準に達する人だけが採用されます。そもそも若手や中堅に比べて枠の絶対数が限られた中での活動・選考となるので、安穏とした活動では良縁にたどり着けません。ところが、そんな真剣な40、50代幹部クラスが転職活動中に陥りやすい「失敗パターン」があります。
新型コロナウイルス禍でのそこはかとない不安心理も働いているのかもしれませんが、どうも、以前にもましてこの「失敗パターン」に陥ってしまう幹部クラスが増えている印象があるのです。共通点は本人が気を遣って「良かれ」と思ってやっている態度そのものが転職活動失敗の要因となっていることです。多くのケースではやや過剰な気配りや慎重さ、不安が裏目に出ている感じです。今回は主な3パターンを紹介します。
失敗パターン1 「必要以上にへりくだっている」
「本日はお時間をありがとうございます」。面接官の人事部長が言うと、応募者のAさんは「本日は手前どものような者に、お時間を頂戴いたしまして申し訳ありません」と応じました。
経歴についての確認やりとりがあり、「なかなか素晴らしいご実績ですね」と人事部長。それに対してAさんは、「いえいえ、私など、不出来な人間で、全く恐縮でございます」。
業界慣習などもありますが、必要以上にへりくだった慇懃(いんぎん)無礼な言葉使いは、今どきの幹部採用面接においては、総じてネガティブに働くおそれがあります。何もそんなに謙遜しなくても良いのです。逆に何だか心地悪い。そんな受け取り方をする面接官が大半を占めるでしょう。
本人は悪気がなく、面接の場なので最大限の控えめ、謙譲で話そうとしているのでしょう。しかし、その結果、相手には逆に妙な距離感を感じさせたり、下手をすると「何か裏があるんじゃないか」「実は内心、上から見ているじゃないか」などの邪推まで招いてしまうケースもあります。
もちろん、「上から目線」の横柄な態度・コミュニケーションは絶対にNGです。しかし、リーダーたるもの、「下から見上げる」ばかりの態度では、説得力やエネルギーは出ません。そのような人は周囲から見て、頼りなく映りがちです。
リーダーは「フラット、カジュアル、ポジティブ」なコミュニケーションに徹すべきです。必要以上にへりくだる癖がしみついてしまっている人は、この3つと、当連載で折に触れて紹介している「結論から」「端的に(短く)」「具体的に」話すことを心がけると良いでしょう。
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