Wednesday, March 9, 2022

IR誘致、地元住民と合意したのか 公聴会では9割反対 - 朝日新聞デジタル

 カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致の賛否が割れる中、国が自治体に求める「地域における十分な合意形成」が焦点になっている。大阪府・市は住民向けの公聴会を踏まえ計画を修正したが、反対した参加者の意見はほとんど反映されなかった。事業者の要望には様々な条件を変更して応じており、住民の懸念にどう向き合うかが問われている。筒井竜平

大阪府・市のIR誘致計画

事業者は米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの企業連合。初期投資額は1兆800億円で、2029年秋以降の開業をめざす。想定売上高は年5200億円。 府市は「経済成長の起爆剤」としてPRするが、建設予定地の人工島・夢洲では液状化懸念などの問題が浮上。府市はかねて「IRに公費負担はない」と説明してきたが、土地所有者である市は、対策費として約790億円を負担する方針を昨年12月に発表した。

 誘致をめざす自治体は4月28日までに、事業の概要や経済効果などを示した整備計画を国に提出する必要がある。IR整備法は自治体に対し、整備計画をつくる上で「住民の意見を反映させるために必要な措置」として、地元議会の承認とは別に、公聴会などの実施を義務づける。国の審査でも「地域における十分な合意形成」が評価基準の一つだ。

 府市は1月に計4回の公聴会を開き、意見を述べた公述人40人のうち35人が反対した。反対の理由は、ギャンブル依存症増加への懸念(19人)、市が液状化などの対策費790億円を公費負担することへの懸念(17人)、地元住民に対する説明不足(17人)、経済効果の実現性への疑問(14人)などだった。

「誘致ありきの手続きだ」

 府市はその場で公述人の意見に答えず、公聴会の全日程終了後にホームページに見解を掲載。公聴会や確認作業などを踏まえて修正した計画を2月16日に確定させ、議会に提出した。

 修正点のうち、公聴会の反対…

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