Monday, March 21, 2022

公営住宅災害恐れ、2088団地対策未実施…自治体把握しきれず - 読売新聞オンライン

 公営住宅が並ぶ団地の半数近くが、災害リスクにさらされている実態が明らかになった。リスクが高い地域にあるのに自治体が十分な対策をとっていないケースや、調査まで危険性を把握すらしていなかった自治体もある。豪雨による浸水ですでに被害に見舞われた団地もあり、自治体の対応が急務となっている。(沢井友宏、前田敏宏)

 2020年7月の九州豪雨で市街地が冠水するなどして多くの住宅が被害にあった福岡県大牟田市。市が管理する25の団地には、約2200世帯が暮らすが、うち、14団地が「洪水浸水想定区域」、12団地(重複あり)が「高潮浸水想定区域」にあることが分かった。

 国土交通省の調査で、市は初めて全容を把握した。災害リスクがある場所に立地する団地のうち、半分程度は建設後、半世紀ほどたっていた。九州豪雨では木造平屋の約60戸が浸水被害を受けたが、築70年を超えていたという。

 市によると、建設後に災害リスクが指定された場所が多く、把握しきれていなかった。住宅団地の一部では、入居募集を停止している。取り壊しも始めているが、今回の結果を受け、さらに進めていく考えだ。

 ただ公営住宅には、住み慣れた場所に居続けたいという住民もいる。市は「リスクの高い場所で暮らす住民への対策も早急に考えたい」と話す。

 国交省が行った今回の調査では、何らかの災害リスクがある公営住宅団地は、1万5000近くに及んだ。このうち、2088団地(14・3%)は、止水板や防水扉の設置などのハード面はもちろん、避難場所の説明や定期的な避難訓練などのソフト面での対策が全く行われていなかった。

 多くは建設後にリスクが指定された。だが、「災害危険区域」(93団地)や、「土砂災害特別警戒区域」(86団地)といった建物を建てる際に対策などが求められるリスクの高い区域に立地する団地もあった。

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