Tuesday, July 7, 2020

WHO、空中浮遊する粒子からの感染あり得ると認める 新型ウイルス - BBCニュース

世界保健機関(WHO)は7日、新型コロナウイルスについて、空中に浮遊する極小の粒子で感染する可能性を示す科学的証拠が蓄積されつつあると認めた。

密閉空間や換気が不十分な混雑した場所では、空気感染の可能性が排除できないと、WHOで感染予防・対策技術チームを率いるベネデッタ・アッレグランツィさんは話した。

空気感染リスクが確認されれば、屋内の感染予防ガイドラインに影響するかもしれない。WHOは従来、ウイルスは感染者のくしゃみやせきで飛び散る飛沫(ひまつ)で伝播(でんぱ)すると説明していた。

これまでに科学者239人が公開書簡で、WHOが空気感染リスクを過小評価していると批判していた。

書簡に署名した米コロラド大学のホセ・ヒメネス教授(化学)はロイター通信に、「(WHOには)科学的証拠を認めてもらいたい」と話した。

「WHOを攻撃しているわけでは決してない。これは科学的議論だ。しかし、何度もやりとりをした後でもエビデンス(科学的証拠)に耳を傾けようとしなかったので、公に発言する必要があると感じた」と、ヒメネス教授は公開書簡に踏み切った理由を説明した。

WHO当局は、これまで集まっていたエビデンスは暫定的なもので、さらに精査が必要だと慎重な姿勢を示してきた。

<解説> 態度を修正か――イモジェン・フォークス、BBCニュース(ジュネーヴ)

WHOはもう何カ月もの間、新型コロナウイルスの伝染は、人がくしゃみやせきをした時に飛散する飛沫を経由すると主張してきた。飛沫は空中を漂うことなく、表面に落下する。だからこそ、手を洗うことが何より大事な予防方法だと言われてきたのだ。

しかし、32カ国の科学者239人はこれに賛成しない。新型ウイルスは飛沫よりはるかに小さい粒子に含まれ、人が会話をしたり息を吐いたりした何時間も後まで空中を浮遊し、広がる可能性を強力に示すエビデンスが得られているというのだ。

WHOは今日、密閉空間や混雑した場所ではそれは可能だと示唆するエビデンスがあると、認めるに至った。

このエビデンスは徹底的に精査する必要がある。しかし、もし確認されれば、感染予防ガイダンスの修正が必要になるかもしれない。これまでよりも様々な場面でマスクの着用が必要になるかもしれないし、とりわけバーやレストランや公共交通機関などで今まで以上に厳密に人と人の距離をあけることが求められるかもしれない。

(英語記事 Coronavirus: Airborne transmission cannot be ruled out, WHO says

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