Monday, January 10, 2022

【TOKYOまち・ひと物語】秋葉原のコンカフェ 健全化で団結 - iza(イザ!)

TOKYOまち・ひと物語

「秋葉原コンセプトショップ協会」理事長の泉登美雄さん=2021年12月27日、東京都千代田区(竹之内秀介撮影)
「秋葉原コンセプトショップ協会」理事長の泉登美雄さん=2021年12月27日、東京都千代田区(竹之内秀介撮影)

サブカルチャーの発信地、東京・秋葉原で今や日常の光景として溶け込んでいるメイドカフェ。近年は過剰な客引きをする悪質な店舗が問題視されていたが、メイド文化の健全化を図るべく、地元の関係者が立ち上がって今月1日に設立されたのが業界団体「秋葉原コンセプトショップ協会」だ。優良店の認証制度などを通じて、地元との共存の道を探っている。

過激衣装で苦情

「いわゆるメイド文化は日本人のおもてなしが根底にあるからこそ成り立つ独特のもの。コンセプトカフェは単に排除するのではなく、見直すべきところは見直して街の魅力として残していくべきだ」

協会理事長で、約20年にわたり秋葉原の観光振興に携わってきた泉登美雄(とみお)さん(67)はこう力説する。

「コンカフェ」とは、ファンタジーや中華といった独特のテーマをそれぞれの店舗が打ち出し、衣装や会話で利用者を楽しませるカフェのことで、メイドカフェもその一種。店舗数は秋葉原全体で200を上回り、新型コロナウイルス禍以前はコンカフェを目当てに秋葉原を訪れる外国人観光客も少なくなかった。

ただ、近年は一部の店舗が従業員に過激な衣装でビラ配りをさせて近隣住民から苦情が寄せられたり、未成年を働かせて摘発されたりと、地元では治安の悪化につながりかねないと懸念する向きもあった。秋葉原を管轄する警視庁万世橋署によると、令和2年の客引きの110番件数は約1100件に上った。

公認マーク

地元のコンカフェ関係者は「秋葉原ではビラ配りは1店舗1人までというルールがあるが、他所から進出してきた店の中には守らないところもある」と明かす。こうしたビラ配りの人数制限などはあくまで業界の〝自主規制〟に過ぎないため、違反する店が出ても処分されないという一面もあった。

そこで昨年6月、区や有志の事業者が連携して「AKIBA安全・安心プロジェクト」を発足。民間警備員による見回りの強化などで客引きの数は減ったが、「事業者がより自主的に対策に取り組むため」(泉さん)、協会の立ち上げに至ったという。

協会の規約では、経営者と従業員に研修会の受講を義務付けたり、児童の通学時間帯はビラ配布を極力避けたりするよう定めた。加盟店は公認マークを掲げる仕組みで、昨年12月に開いた説明会には109店舗が出席し、約70店舗が参加を検討している。

メイド文化は魅力

「今やメイド文化は街の魅力の一つ」と話すのは千代田区の樋口高顕区長。コロナ禍で秋葉原に訪れていた外国人観光客の姿はぱったりと途絶え、地域内の事業者は業種を問わず打撃を受けた。樋口氏は「コンカフェの追い出しを図れば秋葉原の活力の喪失につながりかねない。地域とうまく調和するための取り組みを協会に期待している」とエールを送る。

理事長として協会のかじ取り役を担う泉さんは「偏見の目で見られがちなコンカフェだが、一致団結してクリーンさを打ち出すことでイメージを向上させたい。『せっかく秋葉原に来たんだし、コンカフェに行ってみようかな』と思ってもらえるよう努力していく」と力を込めた。(竹之内秀介)

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