Friday, January 14, 2022

アマゾンとイノベーションの歴史、日本の敗因と新たなチャンス - 日経ビジネスオンライン

 なぜ、日本企業は過去30年間、イノベーション創出で十分な結果を出せなかったのか。前回から引き続き、この問題について考えていきます。この連載の本題は、『Amazon Mechanism』でもご紹介した、アマゾン(米アマゾン・ドット・コム)が、イノベーションを組織的に連続して起こす仕組みです。しかし、私がこのような本を書いた背景には、日本の「失われた30年」に対する危機感があります。

 日本がイノベーション創出で結果を出せなかったのには、2つの背景事情があると、私は考えています。

 1つ目の背景事情は、前回の通りです。イノベーション創出には、人間の本能であるリスクアバース(リスク回避)の傾向に反する意思決定を下さなくてはなりません、しかし、安定した事業環境に置かれた企業においては、経営陣もそこで働く社員も、リスクを取りにくくなります。このような考察から、日本企業の長寿と、イノベーション創出において日本企業が結果を出せないことの間には、深い関係があると述べました。

 今回は、日本企業がイノベーション創出で十分な結果を出せていない、2つ目の背景事情についてです。

 米国にARKインベストメント・マネジメントという投資ファンドがあります。破壊的イノベーションをもたらす企業への集中投資で大きなリターンを上げていることで注目を集め、そのリサーチ力には定評があります。

<span class="fontBold">谷 敏行(たに・としゆき)</span><br>東京工業大学工学部卒業後、エンジニアとしてソニー(現ソニーグループ)に入社。エレキ全盛期のソニーの「自由闊達にして愉快なる理想工場」の空気に触れながら、デジタルオーディオテープレコーダーなどの開発に携わる。米ニューヨーク大学経営大学院にて経営学修士号(MBA)取得。1992年にソニー退社後、米国西海岸でIT・エレクトロニクス関連企業のコンサルティングを手掛ける(米アーサー・ディ・リトルに在籍)。その後、米シスコシステムズにて事業開発部長など歴任。日本GE(現GEジャパン)に転じた後、執行役員、営業統括本部長、専務執行役員、事業開発本部長など歴任。2013年、アマゾンジャパン入社。エンターテイメントメディア事業本部長、アマゾンアドバタイジング・カントリーマネージャーなど歴任し、2019年退社。現在は、TRAIL INC.でマネージングディレクターを務めるほか、<a href="https://dayoneinnovation.com/" target="_blank">Day One Innovation</a>代表としてイノベーション創出伴走コンサルタントとしても活動。
谷 敏行(たに・としゆき)
東京工業大学工学部卒業後、エンジニアとしてソニー(現ソニーグループ)に入社。エレキ全盛期のソニーの「自由闊達にして愉快なる理想工場」の空気に触れながら、デジタルオーディオテープレコーダーなどの開発に携わる。米ニューヨーク大学経営大学院にて経営学修士号(MBA)取得。1992年にソニー退社後、米国西海岸でIT・エレクトロニクス関連企業のコンサルティングを手掛ける(米アーサー・ディ・リトルに在籍)。その後、米シスコシステムズにて事業開発部長など歴任。日本GE(現GEジャパン)に転じた後、執行役員、営業統括本部長、専務執行役員、事業開発本部長など歴任。2013年、アマゾンジャパン入社。エンターテイメントメディア事業本部長、アマゾンアドバタイジング・カントリーマネージャーなど歴任し、2019年退社。現在は、TRAIL INC.でマネージングディレクターを務めるほか、Day One Innovation代表としてイノベーション創出伴走コンサルタントとしても活動。

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