テロ対策の不備で事実上の運転禁止命令を受けている東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)について、原子力規制委員会の山中伸介委員長は8日の記者会見で、5月中に命令解除の可否を判断するとした上で、「(現状では)解除はかなり難しい」と述べた。
同原発を巡っては、岸田首相が電力の安定供給のため再稼働を目指しているが、再稼働が遅れる可能性が出てきた。
規制委は追加検査を今春にも終え、再稼働の条件となる命令解除の判断をする方針を示していた。この日の会合では、東電の再発防止策として追加検査で確認している27項目のうち、侵入検知システムや核物質防護の重要性に対する社内意識など6項目について改善が不十分で、検査を継続するとした。風雪などの影響で検知器が鳴ってしまう「不要警報」回数が減っていないことや、核物質防護の劣化兆候を的確に把握する組織になっていないことなどが問題視された。
山中氏は1月に同原発を視察しており、会合で「この1か月余りでほとんど改善がみられない。かなり厳しい状況だ」と強調。会合後の会見では、今後確認する6項目はハード・ソフト両面にわたることから、「(5月の判断後)1、2か月で済むようなものではない」とし、改善まで時間を要するとの考えを示した。
同原発は、6、7号機の出力がそれぞれ136万キロ・ワットで国内最大級。規制委の安全審査に「合格」して再稼働を目指していた2021年、所員が他人のIDカードで「中央制御室」に不正入室する問題が発覚した。侵入検知システムが複数故障していながら十分な対策を講じなかった問題も明らかになり、規制委は安全対策上「最も深刻なレベル」と判断。同年4月、事実上の運転禁止命令を出す異例の措置を取った。
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