Monday, July 6, 2020

社説 九州各地で豪雨 わが事と思って備えを - 信濃毎日新聞

 熊本県南部を襲った豪雨災害は、死亡や心肺停止、行方不明の人が計50人を超える大惨事となった。

 一帯ではその後も激しい雨が降り、救出や捜索は難航している。被害の全容はまだ把握されていない。

 鹿児島、宮崎の両県にも大雨の被害が出ており、避難した住民らが不安な時間を過ごす。政府や自治体はまず、救出と避難者の支援に全力を注いでほしい。

 九州では、福岡、佐賀、長崎の各県も経験したことのないような大雨になっているとして、大雨特別警報が発表された。

 熊本南部で被害が集中したのは氾濫した球磨川の流域だ。人吉盆地から狭い谷を抜け、八代平野を経て海に注ぐ1級河川である。

 広い範囲が水に漬かった光景を見て、昨年10月の千曲川の氾濫を思い出した人も多いだろう。川幅が狭まる盆地の出口付近で水があふれるのは、同じ現象だ。

 似たような地形は長野県内を含め各地にある。どこで起きてもおかしくない災害と捉え、自治体から配られた洪水ハザードマップなどを見て、住んでいる地域の危険性を確認しておきたい。

 危険が迫った際、重要なのはどんなタイミングでどこに逃げるかだ。先を見通し、できるだけ早い段階で避難に踏み切りたい。

 球磨川流域では多くの人が逃げ遅れ、命を落とした。政府や自治体の避難の呼び掛けに不十分な点はなかったか。検証が要る。

 気象庁が大雨特別警報を出したのは4日未明だった。既に災害が起きている可能性が高い状態で出るのが特別警報だ。重要なのは、その前の注意報や警報の段階から行動をどう促すかだろう。

 多くの入居者が水にのまれた特別養護老人ホームの当時の状況が明らかになってきている。未明から急に浸水した。近隣住民も協力して入居者を2階に運んだが、寝たきりの人も多く、時間がかかった。エレベーターはなかった。

 この施設は避難計画を策定していたという。計画に実効性はあるか。高齢者ら災害弱者のいる施設は見直しておく必要がある。

 近年は住民の想像を超える規模の水害が珍しくない。2年前の西日本豪雨、3年前の九州北部豪雨もちょうど今の時季だった。

 熊本南部の猛烈な雨は、積乱雲が次々に発生して連なる「線状降水帯」の形成が原因だった。

 地球温暖化で海水温が上がり、流れ込む水蒸気量が増えたことが背景にあるとされる。影響の深刻化を直視せざるを得ない。

(7月7日)

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