Thursday, May 25, 2023

柏市議会 議員からのハラスメント行為 職員150人超が「ある」 - nhk.or.jp

「ささいなミスを大声で叱責された」「彼氏または彼女がいるのかと聞かれた」「プライベートの話を職場などで大きな声で話をされることで、苦痛を感じた」
柏市の市議会が4月に行った調査で、市議会議員から市の職員へのこうしたパワハラやセクハラが明らかになりました。

千葉県柏市の市議会は市議会議員による市の職員へのパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントの実態調査を行いました(複数回答)。

調査期間:令和5年4月17日から21日
調査方法:庁内LANのアンケート機能を利用(匿名)
回答者数:1827人(総数2849人)

柏市議会議員からハラスメント「ある」157人

「柏市議会議員からハラスメントを受けたことがあるかどうか」という質問に対して、回答した市の職員1827人中、157人が「ある」と答えました。

ハラスメントを見たことがある 316人

「柏市議会議員または柏市職員が、柏市議会議員からハラスメントを受けているのを見たことがありますか」という質問に対しては、316人が「ある」と答えています。

ハラスメント行為の具体例は?

市の職員への具体的なハラスメント行為については、以下のような回答がありました。

ささいなミスを大声で叱責/必要以上に長時間の叱責/意に沿わない対応に恫喝

 169 

彼氏や彼女がいるのかと聞かれる/早く結婚しろと言われる などで苦痛を感じる

154

プライベートの話を職場などで大きな声で話をされ、苦痛を感じる

105

プライベートの話を執拗に聞かれることにより、苦痛を感じる

100

性的な言葉を言われる/周囲で性的なことを話している

73

威圧的、高圧的な発言/理不尽な罵倒

16

人格を否定する発言/個人を攻撃する発言

12

機関誌の勧誘/購読の強要

7

理不尽な要求

7

子どもの有無に関する発言

7

セクハラ以外のプライベートの話を聞かれる/聞かされる

7

挨拶しても無視されるなど(人間関係からの切り離し)

6

対応を優遇する趣旨の発言

6

身体を触られる

5

物を投げつけられる/殴られる/胸ぐらをつかまれる など

5

容姿についての発言

4

妊娠中や産(育)休明けに心ない言葉を言われる

3

飲み会で隣に座らされたり、デュエットを強要されたりすることで苦痛を感じる

2

急な聞き取りの変更や延期

1

長時間拘束される

1

過剰な資料要求

1

執務室への無断の立ち入り

1

酒席への強要

1

ハラスメントの認識はないが、「不快に感じたもの」

ハラスメントの認識ではなく、「不快似感じたもの」としては、以下のような回答がありました。

威圧的・高圧的な発言/理不尽な罵倒

 26 

理不尽な要求

15

機関誌の勧誘/購読の強要

13

横暴な態度

12

人格を否定する発言/個人を攻撃する発言

11

長時間拘束される

10

セクハラ以外のプライベートの話を聞かれる/聞かされる

10

対応を優遇する趣旨の発言

8

ささいなミスを大声で叱責/必要以上に長時間の叱責/意に沿わない対応に恫喝

7

容姿についての発言

6

急な聞き取りの変更・延期

6

配慮に欠ける発言

6

執務室への無断の立ち入り

5

業務内容を一般の人々の前で非難される

4

性的な言葉を言われる/周囲で性的なことを話している

3

プライベートの話を職場などで大きな声で話をされることで苦痛を感じる

3

彼氏または彼女がいるのかと聞かれる/早く結婚しろと言われるなどで苦痛を感じる

2

不明瞭な質問をされる

2

勤務時間外での対応

2

事実無根の発言をされる

2

プライベートの話を執拗に聞かれることで苦痛を感じる

1

子どもの有無に関する発言

1

過剰な資料要求

1

理不尽な謝罪要求

1

寄付の要求

1

ハラスメントは誰から?

現柏市議会議員からあったという人が308人、元柏市議会議員からあったという人が47人でした。

「誰にも相談しなかった」180人

ハラスメントがあった際、誰かに相談したかどうか尋ねました。誰にも相談しなかったと回答した人が一番多く、180人でした。なかには、「常時のものとしてあきらめた」という回答もありました。

誰にも相談しなかった

 180 

親しい同僚(同所属)

73

上司(同所属)

71

親しい同僚(別所属)

35

家族

22

上司(別所属)

9

職員以外の友人

5

課内で共有した

4

ハラスメントは常時のものとしてあきらめた

3

同僚と共有

2

上司が問題にしなかった

2

人事課または人事担当課

1

男性職員で対応するようにした

1

ハラスメントがあったときの対応は

ハラスメントがあった際、どのように対応をしたかについては、252人が、「何もしなかった」と答えました。なかには、「ハラスメントは日常だと納得するようにした」「病院を受診した」という回答もありました。

何もしなかった(我慢した/嫌だけれども言えなかった)

 252 

無視した

74

それとなく嫌だということを相手にわからせようとした

14

逃げた

10

相手にはっきり嫌だと伝えた

6

相談窓口に相談した

4

ハラスメントは日常なのだと納得するようにした

4

受け流した

4

上司がフォローしてくれた

4

男性職員で対応するようにした

3

上司に相談したがフォローしてくれなかった

3

課内で共有した

1

同僚と共有した

1

上司が問題にしなかった

1

やんわりと断った

1

別の職員で対応するようにした

1

上司に相談した

1

病院を受診した

1

何もしなかった理由「相談しても解決しないと思った」

ハラスメントがあった際、何もしなかったのはなぜかという問いには、177人が「相談しても解決しないと思ったから」と答えました。また、「業務に支障が出ると思ったから」「我慢した方がいいと思ったから」という回答も多くの人が答えました。

相談しても解決しないと思ったから

 177 

業務に支障がでると思ったから

127

我慢した方がいいと思ったから

79

職場での立場が悪くなりそうだから

48

相談窓口を知らなかった

40

改善の余地がないと思ったから

9

仕返しや嫌がらせをされると思ったから

6

上司の判断

4

当事者ではないから

3

当時はハラスメントと認識していなかった

2

上司に相談したが取り合ってもらえなかった

2

本人がかわしていたから

2

上司が我慢していたから

2

被害者が守られる体制がないから

2

被害者を傷つけると思ったから

1

上司に迷惑がかかると思ったから

1

ハラスメントには当たらないと思ったから

1

職務上知りえた情報だから

1

当時は相談窓口がなかったから

1

十分な調査、処分の厳格化を

ハラスメント防止のために望むことについては、十分な調査や処分の厳格化のほか、意識改革や相談しやすい窓口の設置を求める声が相次ぎました。

十分な調査/処分の厳格化

 605 

意識改革/意識啓発/教育の実施

549

相談しやすい窓口の設置

489

ハラスメントに対処する体制づくり

488

議員名の公表

8

期待できない

5

議会事務局での一次対応/議会運営事務の見直し

4

庁舎内での機関誌販売の禁止

3

録音機の使用

3

被害者が守られる体制づくり

2

議員と職員用のオープンスペースの設置

2

ハラスメントに対応する付属機関などの設置

2

弁護士など第三者の関与

2

えん罪の防止

1

法律知識の普及啓発

1

効率的な聞き取りの実施

1

議員→議員のハラスメントは?

このアンケートでは、同じ内容を市議会議員にも聞きました。35人のうち、24人が回答しました。

柏市議会議員からハラスメントをうけたことが「ある」と答えた人は6人で、柏市議会議員や柏市職員が、柏市議会議員からハラスメントを受けているのを見たことがあると答えた人は18人でした。

ハラスメントの内容は

ささいなミスを大声で叱責/必要以上に長時間の叱責/意に沿わない対応に恫喝

 14 

身体を触られる

5

性的な言葉を言われる、周囲で性的なことを話している

4

執拗に2人きりの食事などに誘われたり、交際を求められたりしたこと等で苦痛を感じた

3

物を投げつけられる、殴られる、胸ぐらをつかまれるなどした

3

過大な仕事を毎回押しつけられる

3

飲み会で隣に座らされたり、デュエットを強要されたりするなどして苦痛を感じる

2

雑用ばかり押しつけられる

2

人格を否定する発言や、個人を攻撃する発言をされた

2

彼氏または彼女がいるのかと聞かれる、早く結婚しろと言われるなどで苦痛を感じる

1

個人所有のスマホを勝手にのぞかれる、不在時に机の中を勝手に物色されるなど

1

挨拶しても無視される

1

セクハラ以外のプライベートの話を聞かれる/聞かされる

1

事実無根の話をされる

1

威圧的・高圧的な発言/理不尽な罵倒をされる

1

ハラスメントの認識ではなく、「不快に感じたもの」としてどのようなものがあったかという質問には、「本会議・委員会中のやじ」と答えた人が2人、「人格を否定する発言/個人を攻撃する発言」が1人いました。

ハラスメントは誰から?
現柏市議会議員からと答えた人が17人、市民からと答えた人が3人、特別職を含む職員と答えた人が2人いました。

誰に相談した?
ハラスメントがあった際、▼「誰にも相談しなかった」と答えた人が5人、▼「同じ所属の先輩議員」と答えた人が4人、▼「家族」「同じ所属の親しい同僚」がそれぞれ3人、▼「別の所属の親しい同僚」「人事課または人事担当課」「相談を受ける側だった」と答えた人がそれぞれ1人いました。

「何もしなかった」が最多
ハラスメントがあった際の対応について、▼「何もしなかった(我慢した/嫌だけれども言えなかった)」と答えた人が8人、▼「無視した」が4人、▼「相手にはっきり嫌だと伝えた」が3人、▼「それとなく嫌だということを相手にわからせようとした」「『やめないと他の人に話す』など、何らかの行動をとると伝えた」「ハラスメントの意識が薄かった」「条例制定に向けた取り組みを開始した」「先輩議員に相談した」「党内へ相談した」がそれぞれ1人でした。

「相談しても解決しないと思った」最多
ハラスメントがあった際、何もしなかったのはなぜかという質問に対して、▼「相談しても解決しないと思ったから」と回答した人が6人で最多となりました。そのほか、▼「我慢した方がいいと思った」が3人、▼「業務に支障が出ると思った」「職場での立場が悪くなりそうだから」「相談する体制がないから」がそれぞれ1人でした。

ハラスメント防止のため望むこと
ハラスメント防止のために望むこととして、▼「意識改革や意識啓発、教育の実施」と答えた人が13人、▼「相談しやすい窓口の設置」と答えた人が12人、▼「十分な調査や処分の厳格化」、「ハラスメントに対処する体制づくり」と答えた人が11人でした。

市議会は、調査結果などをもとにハラスメント防止のための条例案を策定し、来月(6月)の定例会に提出する予定です。

熊谷知事「議会の対策必要」

柏市議会の調査結果について、千葉県の熊谷知事は25日の定例会見で、次のように話しました。

当然、許されることではないが、議員は有権者に託された役割や責務、それに公約などを実現しようという思いのあまりに、さまざまなハラスメントに至る背景があると思う。職員側は、『やりすごしたほうがいいのでは』と、思ってしまいやすい関係だと思うので、議会側からしっかりとハラスメントが起きないような取り組みの呼びかけや意識の共有が必要だ。

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