コロナの水際対策が緩和され、多くの外国人の姿が戻ってきた日本。しかし、外国人の中にはこんな気持ちを抱く人もいるそうだ。「日本は“過剰アナウンス”の国だ」――。
例えば、駅や電車で耳にする「●番線、ドアが閉まります。ご注意ください」「扉が閉まります。荷物をお引きください」「次は▲▲~まもなく▲▲」など、とにかくアナウンスが多すぎるという。
実は日本人でも同じように感じている人は多いようだ。果たして日本は「丁寧すぎる」のか? 『ABEMA Prime』で議論した。
■「『左側のドアが開きます』は見ればわかる」の声
電車のアナウンスに対して、Twitter上では「『左側のドアが開きます』は見ればわかる」「1分遅れただけで誰に謝罪?」などの声があがる。
長谷川ミラ(モデル・ラジオナビゲーター):イギリスにいた時、アナウンスは遅延しているとか重要事項を言っているので、みんな一旦聞く。日本で「次は▲▲」というデフォルトの音声があるのに、さらにアナウンスをされるとドキッとする。
薄井シンシア(外資IT企業勤務):ニューヨークなんかは電車の中でもエレベーターの中でも人々が喋っているが、日本は静かだからアナウンスはうるさく感じる。ただ、海外から帰ってきて、「今日は雨なので傘を忘れないように」というタイムリーなアナウンスを聞くと親切だなと思う。電車が1分遅れるとかはしなくてもいいのではないか。
紗倉まな(AV女優・えろ屋):これらの音に慣れすぎて、私は過剰だという認識すら持っていなかった。繁華街などはいろいろな音が溢れていて、大事なポイントだけが伝えられるわけではないので、もはや聞いていない人たち、耳を傾けていない人たちは多くいると感じる。
江上いずみ(筑波大学客員教授、元JAL客室乗務員):外国人で過剰だと感じているのは日本に慣れている方で、観光で来られた方々はすごくありがたいと思っている部分はある。何を求めているのかというのは、人々によって落とし所が違うのでは。
■機内アナウンス「うるさくてだいたいイヤホンしている」の声
飛行機についても、「機内アナウンスうるさくてだいたいイヤホンしている」「飛びます、飯です、降ります、揺れます、だけでいい」などの声がTwitterであがっている。
田村淳(タレント):イヤホンを外した瞬間、恒例の自己紹介のやつか、みたいな。丁寧なんだけど、名前を覚えられないなと毎回思ってしまう。前のほうに座ると、客室乗務員の方からも「今日ご一緒させていただきます、◯◯です」と言われるが、名前を覚えたことがない。
長谷川:お仕事でアメリカに行く時にビジネスクラスをご用意していただいた。アメリカの航空会社だったが、“Hi, my name is Chris.”と、外国の人でも来るんだと思った。降りる時、その人ではない別の方もわざわざ来て、「今回は本当にご搭乗いただきありがとうございました」と。うれしいのだが、どうしたらいいんだろう。
江上:機内アナウンスにマニュアルはあるが、最後のフェアウェルという搭乗のお礼だけはチーフパーサーが、それこそ私も新聞を5紙ぐらい見て「時候のあいさつを何にしようかな」と。そういったものを一言入れると、ほのぼのと聞いてくださる方は多くいらっしゃる。機長のアナウンスも途中で入るわけだが、あるほうがいいという声はお客さまからあがってくる。
田中萌アナウンサー(テレビ朝日):私は機長のあいさつは好きだ。どういう人なのかな?と想像したり、現地の気温や天候、飛行時間などを楽しみに聞いているので、うるさいなと思ったことはない。電車でも、「右側が開きます」と聞いて動いたりしているので、けっこう助かっている。提供されるものは全部ありがたく受け取りたい、と思うタイプなのかもしれない。
平石直之アナウンサー(テレビ朝日):過剰サービスの線引きで一つあるのは、やはり「相手に何かを求めること」だと思う。イヤホンを外させる、美容院で洗っている時に「かゆいところありませんか?」と聞かれて話す、コンビニでレジ袋いりますか?と聞かれて答えるなど、その一手間、二手間が嫌な人にとっては過剰なサービスになるのでは。
長谷川:左右どちらのドアが開くかなど、ありがたいことに日本はすごく親切で丁寧だが、ある意味でボーッとしていても生きやすいというか。電車や飛行機に乗り遅れたら自分の責任になるわけだが、そうならないよう過剰に「こっちですよ。あっちですよ」とやってくれた結果、そうなってしまったのかなと感じた。
(『ABEMA Prime』より)
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