健康状態にさまざまな影響が出てくる「睡眠負債」から、いい睡眠習慣を身につけ、能力を最大限に発揮できる「睡眠投資」へ(写真:Graphs/PIXTA)
「徹夜すれば間に合う」と思って、ギリギリまでがんばる癖がついてしまっている方も多いのではないでしょうか。次の日を乗り切れれば大丈夫と思ったら、どうもそうはいかないようです。これまで2万人以上の睡眠の悩みを解決してきた睡眠専門医・白濱龍太郎氏の最新刊『ぐっすり眠る習慣』から、効果的な睡眠習慣について一部抜粋・再編集してお届けします。
「バタンキュー」は脳の悲鳴の証
仕事ができて責任感の強い人ほど、ハードワークをして、つい睡眠時間を犠牲にしてしまいがちです。
それでも体力があれば、問題なく毎日過ごせてしまい、雪だるま式に仕事の量も増えていくでしょう。
そうなると、あとは時間の問題です。
いつの間にか自分の時間がなくなっていきます。
そしてある日、取り返しがつかないほど疲れがたまって動けなくなってしまった、ということになりかねません。
最新の研究で、不眠症など睡眠の問題を自覚していない人でも「毎日約1時間」の潜在的な睡眠負債があるということが明らかになりました。睡眠負債とは、身体に蓄積された睡眠不足のことをいいます。
この潜在的な睡眠負債を解消するためには、一時的な「寝だめ」では足りず、9日間連続して十分な睡眠をとらなければならないということがわかっています。
ただでさえ睡眠時間が足りていないのに、そのうえ徹夜などしてしまっては、まったく回復のめどが立たなくなってしまうのは言うまでもありません。
ちなみに、徹夜明けの翌日、「バタンキュー」で寝てしまうのは問題です。
これは、寝つきがいいのではなく、睡眠負債がたまりすぎで、脳が悲鳴を上げている状態。そのまま脳がシャットダウンしたようなイメージです。
決してぐっすり眠れていることとイコールではないのです。
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