保険相談を受けていると、新入社員の時に加入した保険が起点となり、「ああ、あの時の選択が」「ああ、あの時のあの見直しが」と、自分の折々の選択を振り返って後悔する人に遭遇することがあります。健康状態に問題がなければ、「今気づいて良かったですね」と慰めることもできるのですが、そうでない場合は自由に見直すことができず、制約のある中での見直しにならざるを得ません。そこで2回に分けて、間違った選択をしないために必要な考え方を解説します。初回のテーマは新社会人や新生活を始めた人は保険が必要なのか、また、それをどのように判断すべきかです。(ファイナンシャルプランナー 内藤眞弓)
一度加入すると大事なお金が
保険会社へと水路づけられる
後悔する人の特徴として、加入理由の曖昧さがあります。たとえば、次のようなことをきっかけに加入している人です。
● 社会人になったのをきっかけに何となく
● 熱心に勧められたから
● 「若いうちに入った方が保険料が安い」と言われたから
● 提案された保険料が払える金額だったから
● 親から「保険くらい入っておけば」と言われたから
● 病気になったときに医療費が払えるか心配だったから
など
一度加入すると、保険料は口座振替や給与天引きで自動的に払うため、特に不便は感じません。そして、保険会社との長い付き合いが続くことになります。担当者は頻繁に変わるのですが、変わるたびに「ご挨拶」と一緒に新たな提案をされ、見直しを繰り返し、気がつけばトータルで数百万円の支出になっていた、ということになってしまうのです。
新入社員の皆さん!最初が肝心です。将来の自分に後悔させることがないよう、今の自分にとって保険加入は必要なのか、加入するとしたらどのような保険が選択肢になるのかを、しっかり考えてみましょう。
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