韓国の大統領職引き継ぎ委員会は5月3日、10日に発足する尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の国政ビジョンと目標、110の国政課題を発表した。今回の発表は新政権の発足後、各省庁で追加の議論を経て、「ユン・ソクヨル政府国政課題」として確定する予定。
国政ビジョンと目標は、(1)常識が回復した正しい国の実現、(2)民間が主導し、政府が後押しするダイナミックな経済の実現、(3)温かく皆が幸せな社会の実現、(4)自律と創意で作る大胆な未来の実現、(5)自由、平和、繁栄に寄与するグローバル中枢国家の実現、(6)どこにいても住みやすい地方時代の実現の「6大国政目標」の下、110の国政課題を掲げている。主な国政課題は以下のとおり。
1.国民目線の政策
新型コロナウイルス感染拡大による国民の被害回復、不動産市場の正常化、脱原発で崩壊した産業サプライチェーンの回復、財政の持続可能性の向上,非営利民間団体の透明性確保、デジタルプラットフォーム政府を通じた効率的な行政運営など。
2.民間主導の経済
民間のイノベーションが発揮される規制改革の推進、デジタル資産など未来のための革新的金融システムの構築、株式譲渡所得税の段階的廃止など金融‧課税制度の合理化など。
3.共生的労働環境の創造
国民の老後所得を保障する年金制度改革、世界が感動するグローバル文化立国の実現、国民の生命と安全を最優先とする国民安心社会の構築など。
4.科学技術革命、創造的人材を育む人材育成
半導体、ディスプレーなど戦略技術の集中的な育成、宇宙時代の幕開け技術力確保、「世界初」を生み出す科学技術先進国への跳躍など。
5.国際社会の一員としての責任
原則に立脚した南北関係の下での朝鮮半島の非核化・平和の実現、統一の基盤構築、将兵の福祉の向上など。
6.地域の発展
地域が主導する均衡発展の推進、地域の特性の最大化への支援、地域別の革新成長基盤の整備など(今後「地域均衡発展特別委員会」を通じて具体化)。
また、引き継ぎ委員会は上記の国政課題を実現するため、2022年予算から約209兆ウォン(約21兆5,270億円、1ウォン=約0.103円)の追加財源が必要と推計した。今後、財政支出の見直しや経済成長に伴う税収増加などを通じ、十分な財源を設けるとしている。
(当間正明)
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