*07:30JST NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC議事録、ECB理事会議事要旨、など
今週は、米連邦準備制度理事会(FRB)が3月連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を公表するほか、欧州中銀も3月定例理事会の議事要旨を公表する予定で注目となる。また、米国の消費動向を見極めるため、3月ISM非製造業景況指数に注目。さらに、ウクライナ戦争の行方も引き続きリスク。
新型コロナパンデミックによるサプライチェーン混乱がインフレを押し上げ米国や欧州のインフレは80年代来の高水準に達した。今年に入りウクライナ戦争により物価が一段と上昇する中、先進各国の中銀が速やかに大規模緩和を解消する方針に転じている。
FRBは3月FOMCで2018年以降で初めてとなる利上げを決定。パウエル議長はこの会合でバランスシート縮小を巡る計画を協議したとしており、内容に注目。議長は早くて5月に計画を発表すると言及していたが、タカ派メンバーは経済にもはやパンデミック緊急対策の大規模緩和が必要ではなく、できるだけ速やかにバランスシート解消を開始すべき、と主張している。
同時に、強い雇用統計を受けて一部期間の長短金利が逆転したため、景気後退入りする兆候だと、警戒感も高まった。本年の投票権を有するカンザスシティー地区連銀のジョージ総裁はバランスシート解消を速やかに行えば利回り曲線がスティープニング化すると主張している。パウエル議長を始め、FOMCメンバーは米経済が景気後退に陥るとは予想しておらず、景気鈍化に留まると見ている。
議長を含め、ほとんどのメンバーは段階的な利上げペースが好ましいとしているが、経済やインフレ指標次第で50ベーシスポイントの利上げにもオープンだとの見方を示しており、今後の指標結果に注目される。投資家や市場関係者はFRBの金融緩和解除の立ち遅れを指摘すると同時に、国債市場での長短金利の行方に一喜一憂している。急速で過剰な利上げがいずれ、景気後退につながるとの警戒感も根強い。FRB高官は総じて、利上げによる影響が制御可能だと見ており、ソフトランディングを予想している。しかし、投機家、投資家の一部はハードランディングを警戒している。
歴史的に逆イールドの商状が最終的に景気後退入りに繋がっているわけではない。また、万が一、示唆しているとしても、景気後退入りは数カ月先のことになるため、ドルの上昇基調は継続か。
ユーロ圏の消費者物価指数は過去最大の伸びを記録。ウクライナ戦争により、燃料危機などが影響している。同時に戦争により、域内の経済が景気後退に陥る可能性にも直面。ECBも年内の利上げ観測が再燃しており、ユーロの下値を支える。
■今週の主な注目イベント
●米国
2日:ウィリアムズNY連銀総裁が挨拶
4日:2月製造業受注、2月耐久財受注確定
5日:2月貿易収支、3月サービス業PMI確定、3月ISM非製造業景況指数、ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事がイベント参加
6日:FRBが3月FOMC開催分の議事録を公表、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が経済見通しを議論
7日:週次新規失業保険申請件数、2月消費者信用残高、ブラード・セントルイス連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁やエバンス・シカゴ連銀総裁がイベント参加
8日:2月卸売売上高。
●欧州
4日:独貿易
5日:ユーロ圏サービスPMI
6日:ユーロ圏PPI、独製造業受注
7日:7日:3月定例理事会の議事要旨
ユーロ圏小売り、独鉱工業生産
●英国
4日:ベイリー英中銀総裁講演、カンリフ副総裁講演
7日:英中銀、チーフエコノミストのピル氏が講演
●豪州
5日:豪州準備銀金融政策決定会合
●中国
6日:財新サービス、総合PMI
7日:外貨準備
●ウクライナ
7日:ゼレンスキー大統領がギリシャ議会で演説
●日本
8日:貿易収支、消費者信頼感
《FA》
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