政府は以前から少子化対策を重要政策に挙げている。だが、十分な成果は出ていない。これまでの政策のどこに課題があったのか。しっかりと洗い出し、今度こそ効果的な対策につなげる必要がある。
内閣府は、今後5年間の指針となる「第4次少子化社会対策大綱」案を公表した。5月末に閣議決定する予定だ。
政府の今年4月1日時点の推計によると、14歳以下の子どもは前年より20万人少ない1512万人。39年連続で減っている。総人口に占める子どもの割合も12%と46年連続して下がっている。
この状況は世界と比べても深刻だ。国連によると、推計時点は違うが、人口4千万人以上の32カ国のうち、子どもの割合は日本が最低だった。少子化に歯止めがかからないばかりか猛スピードで進行している。
こうした傾向と、昨年の推計出生数が過去最少の86万4千人となった「86万ショック」を受け、大綱案は結婚や妊娠・出産、子育てなどに対し、切れ目のない支援を目指す。
政府は、若い世代が希望通りの数の子どもを持てる「希望出生率1・8」を目標としている。その実現のためにも、希望する時期に結婚や子育てがしやすい環境整備を加速する必要がある。
たとえば、若い世代の非正規労働者の中でも男性の未婚率が特に高い。収入が十分でなければ将来設計が立たず、結婚や子育てを躊躇(ちゅうちょ)してしまう。正社員化の支援など雇用の安定を急がねばならない。
女性の就業率アップに伴い共働き世帯も増えている。しかし、子育て世代の男性は長時間労働者の割合が一般的に高い。そうした場合、主に女性が子育てをする「ワンオペ育児」が問題になっている。
「働き方改革」による長時間労働の是正を男女ともに進めるのは当然だ。男性が家事や育児に参加しやすいよう、育児休業の取得に積極的な事業主への支援や、育休給付金の充実にも取り組んでほしい。
また、共働き世帯では子どもを安心して預けられる保育の受け皿整備が重要だ。政府は2020年度末までに待機児童解消を図る計画だ。しかし、地域によって解消具合は違う。保育士の待遇改善など以前より指摘されている対策で十分なのか。詳しい検証が必要だ。
政府は昨秋、有識者らによる検討会議を設け全世代型社会保障の在り方の議論を始めた。
年金や医療、介護など高齢者に主に合わせた給付配分を見直し、子育て中の現役世代など全世代に支援が行き届きやすくするといった考え方を基本にしている。
団塊世代が75歳になり始める22年を念頭に、最終報告を来月取りまとめる予定だった。だが、新型コロナウイルスの影響で議論は中断している。むろん高齢化と少子化は密接に関係する。幅広い世代を俯瞰(ふかん)した社会保障や支援の在り方を早急に国民に示してほしい。
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May 13, 2020 at 06:00AM
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【少子化対策大綱】効果的な政策を打たねば - 高知新聞
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