Thursday, May 14, 2020

社説 緊急事態の解除 次への備えは十分なのか - 信濃毎日新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府が全国に発令していた緊急事態宣言がきのう、長野を含む39県で解除された。

 重点的な対策が必要とされる特定警戒都道府県の5県も含まれた。安倍晋三首相は記者会見で、新規感染者数や経路不明な感染者数などから「39県は感染拡大を抑え込むことができた」と理由を述べた。

 外出自粛や休業の長期化で、経済の落ち込みは厳しい。緊急事態宣言には私権の制限がつきまとう。最低限にするのは当然だ。解除は本来、歓迎できるはずだ。ただ、事態の収束は道半ばであり、再流行への備えは十分なのか。

 宣言の指定と解除には、科学的な根拠が不可欠だ。その意味で今回の解除は不透明な面が残る。政府は経済活動の再開を重視し、慎重さを欠いていないか。

 政府の専門家会議はきのう、解除の目安を提言し、「1週間の新規感染者数が人口10万人当たり0・5人未満」との数値が盛り込まれた。早期に基準を設けて、指定と解除の客観的な指標にするべきだった。解除方針が決まった後に基準を打ち出すようでは説得力に欠ける。

 潜在的な感染者が多数いるとの指摘がある。新規感染者数を数値基準とすることにも疑問がある。

 経済活動と感染防止を両立させるのは簡単ではない。国内では北海道で感染の第2波が続いている。海外でも規制を緩和した後に再拡大する事例が少なくない。

 解除された県では休業要請や外出自粛が緩和される。自宅で過ごしてきた人たちが反動で頻繁に外出することも予想される。再開する店舗も増えるだろう。

 個人や店舗が十分な感染対策ができるように、注意点などを行政や業界団体が改めて訴えていく必要がある。検査が迅速に受けられる態勢を、早急につくることが求められる。

 再指定の基準が不明確なことも懸念される。政府は直近1週間の感染者数などの指標を挙げている。ただ、具体的な数値を明確にしていない。

 対応の遅れは避けなければならない。客観的な条件を示した上で感染拡大の防止に向けた迅速な再指定も必要になる。

 宣言が続く8都道府県では、休業要請が続く。解除された県でも業種によっては継続される。経営が限界になれば営業を始める店舗も出てくるだろう。支援の充実が欠かせない。第2次補正予算案の策定を急がねばならない。

(5月15日)

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