新型コロナウイルスに感染した子どもが、複数の臓器で強い炎症を起こす「小児多系統炎症性症候群」について、日本川崎病学会や日本小児科学会などのチームが全国調査に乗り出す。海外では多くの患者が発生していて死亡例もあるため、国内のデータを収集し、治療法開発に役立てたい考えだ。
チームによると、同症候群は新型コロナ感染から2~6週間後に、発熱や発疹、腹痛や下痢などを発症する。患者の2~6割には全身の血管で炎症が起きる「川崎病」と同じような症状が見られる。過剰な免疫反応の影響が考えられるが、メカニズムは不明だ。
米疾病対策センター(CDC)によると、米国では5月末までに20歳以下の8525人が同症候群と診断され、そのうち69人が死亡した。患者の半数は5~13歳だった。
国内の新型コロナの10歳代以下の感染者は、240万人以上だが、同症候群はこれまでに十数例しか報告がない。患者数やどんな治療が有効だったのかはよく分かっていない。このため調査では、小児科の入院設備がある病院など約2100か所を対象に、重症度や血液検査の結果、治療内容やその後の経過などの実態を調べる。
小児感染症に詳しい松原知代・独協医科大埼玉医療センター主任教授(小児科)は、「この症候群に特化したデータを蓄積することで、海外との比較が可能になり、治療法や予防法の開発につながると期待される」と話している。
からの記事と詳細 ( 子どものコロナ重症例「多臓器炎症」の実態調査へ…全国2000超の施設対象 - 読売新聞オンライン )
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