Friday, May 1, 2020

秘めた闘争本能を解放せよ!すべてが過剰なFPS「DOOM Eternal」レビュー - Gamer

なお本作はCERO:Z指定(対象年齢18歳以上)のタイトルだ。当記事ではこのレーティングに相当する過激な画像の掲載は控えるが、作品の魅力をお伝えする上で、若干物騒な言葉を使わざるを得ない箇所があるのは、ご理解いただきたい。

「DOOM Eternal」はid Softwareが開発し、ベセスダ・ソフトワークスが販売するFPS(一人称視点のシューティングゲーム)だ。2016年に発売された「DOOM」の続編にあたる。そもそも2016年の「DOOM」は1993年にPC向けにリリースされた同名作品のリブートタイトルであり、初代「DOOM」の面白さを最新のテクノロジーで蘇らせるというコンセプトだった。「DOOM Eternal」もこの志を受け継いでいるが、プレイフィールは前作よりさらに過激で、遥かに暴力的だ。

筆者は前作「DOOM」にあまり夢中になれず、当時ほかのゲームにハマっていたこともあり途中でプレイをやめてしまっているのだが、「DOOM Eternal」は無我夢中でラストまでプレイすることができた。細かいことを抜きにしてとにかく楽しかったというのがいちばんの理由だが、本作をプレイしていると、あらゆる面で前作を超え、ひいてはFPSというジャンルそのものにひとつの金字塔を打ち立てようとする気概が、全編を通してビシバシと感じられたのも大きかったように思う。

なかなかお目にかかれないレベルの過剰な暴力性を全面に押し出しながら、それに留まらない……いや、この暴力性があるからこそ、本作は2020年を代表するであろう傑作ゲームに仕上がっている。その魅力をできる限りお伝えできれば嬉しい。

より速く、より多彩で、より残虐なプレイが求められる戦闘システム

「DOOM Eternal」の世界では、地球はすでにデーモンの侵略によって壊滅状態となっている。デーモンすら恐れる最強の戦士・ドゥームスレイヤー(以下、スレイヤー)として、地獄の軍勢と死闘を繰り広げ、人類の破滅を食い止めるのがキャンペーンモードでのプレイヤーの役目だ。

ゲームはいくつかのミッションに分かれており、各ミッションで訪れるステージでは目的地に向かいながら、探索と、途中で発生する戦闘とを繰り返すことでストーリーが進行していく。探索時にはちょっとしたパズルを解いたり、一定の間隔で放たれる炎を避けるアクションを要求されたりといった遊びが用意されているが、本作の華はなんといっても戦闘だ。「DOOM Eternal」の戦闘はとにかくプレイヤーの装備が豊富で、敵となるデーモンの種類も豊富。それからゲームスピードが異様に速い。

スレイヤーはメインウェポンだけでも最終的には8種類が使えるようになり、そのほとんどに機能を拡張する「武器MOD」が2種類用意されている。ひとつ例に挙げるなら、「ヘビーキャノン」は連射力に優れた武器だが、MODを取り付ければ遠くにいるデーモンを狙い撃つ強力な一撃や、誘導ミサイルも放てるようになる。これらの攻撃手段に加えて、チェーンソー、火炎放射、グレネードにアイスボム、終盤ではほとんどのデーモンを一撃で斬り伏せる大剣なども使えるようになり、とにかく選択肢が多い。

残り体力がわずかとなったデーモンに近づいて、首をねじ切る、頭部を叩き潰すなどの残虐な方法でとどめを刺せる「グローリーキル」も健在だし、グローリーキルを使うことで貯まるゲージを消費し、周囲のデーモンをまとめてなぎ払える新要素の「ブラッドパンチ」もある。そしてそのほとんどを使いこなせるようにならなければ、地獄の軍勢との戦いを生き抜くのは不可能だ。理由はいくつかある。

まずこのゲームは銃弾がすぐに枯渇しがちだ。チェーンソーでデーモンを倒せば大量の弾薬がばらまかれるが、このチェーンソーは一度使うとしばらく時間が経過するまで使えなくなる。必然的に、いろいろな装備を次々に使い捨てていくようなプレイが必要になるのだ。また、デーモンによっては弱点となる攻撃が設定されていたり、部位破壊によって弱体化させられるものも存在する。有効な攻撃手段を適切に使い分けていこう。

それから、スレイヤーには体力ゲージと、体力の減少を防ぐアーマーゲージがあるのだが、体力はグローリーキルで、アーマーは火炎放射によって炎上した敵を攻撃することで、それぞれに対応した回復アイテムを入手できる。自身が置かれた状況を考慮し、これらを狙っていけるようになれば、生存率は格段に上がるだろう。

足を止めずに動き回って戦うのも重要だ。一箇所に固まって戦っていると、すぐに四方からデーモンが集まってきて、集中砲火にあってしまう。それに、本作では弾薬や回復アイテムはフィールドに落ちているものを拾うことでも入手できるので、これらを回収しながら戦うのも重要になる。本作で追加された「連続ダッシュ」は地上・空中どちらでも使用でき、デーモンから逃げ回るにも、グローリーキルを狙って距離を詰めるにも、咄嗟に相手の攻撃を回避するにも便利だ。大いに活用していこう。

これら戦闘のコツを言葉にするのは簡単だ。しかし、雪崩のように押し寄せてくる多種多様なデーモンの追撃をかわしながら、自分が置かれた状況を正確に把握し、有効な装備による攻撃を次々に叩き込んでいくには、相当なプレイヤースキルを求められる。序盤は考慮すべき事柄の多さに面食らったものだが、この過剰さこそが「DOOM Eternal」の戦闘を唯一無二のエキサイティングなもの足らしめているのだ。

そして、これらによって本作は“より豪快かつ残虐なプレイをするほどプレイヤーへの恩恵が大きい”というゲームデザインになっている。あらゆる手段でデーモンたちを木っ端微塵にしながら、ときにアーマーを得るために奴らの身体に火を放ち、ときに体力回復のために首をねじ切り、頭を叩き潰す。多彩な残虐描写が単なる演出ではなくゲームとして恩恵があるものになっているから、プレイが上達するほどゲームの残虐性もエスカレートしていく。

プレイヤースキルを磨き、次々にデーモンたちを無残な肉塊に変えていけるようになることに、高揚感を覚えないと言ったら嘘になる。本作はそんなふうに、人間の闘争本能を肯定し、合わせてゲーム内だけで満足して余りあるほどの過剰な暴力を提供してくれる作品なのだ。

収集要素やアップグレードを極め、さらに苛烈な戦いへと身を投じよう

本作はスレイヤーのアップグレード要素も豊富だ。そのほとんどはゲームを進めたり、ステージを探索することで収集できるアイテムと引き換えにして、強化していくことになる。

武器MODの開放は「MODポッド」を見つけることで行われ、MODの性能は戦闘終了時に入手できる「武器ポイント」を消費して強化できる。スレイヤーの運動能力やグレネードの性能などを上げるには、探索によって入手できる「プラトエルスーツポイント」が必要。体力やアーマー、弾薬の上限を増やすには「センチネルクリスタル」が必要で、こちらも、ステージの探索で見つかるはずだ。項目ごとに消費アイテムが異なる上に聞き慣れない名称のものが多く、ここでもまた序盤は戸惑ったのだが、プレイを続けていれば理解が追いつくだろう。

ステージをくまなく探索していると、隠しエリアが見つかることも。ここでは前述したアップグレード用のアイテムや、弾薬、一度体力が尽きてもその場で復活できる「エクストラライフ」などが手に入るほか、隠しアイテムや、後述する「シークレットエンカウンター」が設置されている場合もある。

「シークレットエンカウンター」と、キャンペーン中に6箇所存在する「スレイヤーズゲート」は、任意で挑戦できる戦闘チャレンジ。シークレットエンカウンターは時間制限付きで効率の良い立ち回りが求められ、スレイヤーズゲートは「スレイヤーの鍵」を入手していれば挑戦を許される、高難易度のチャレンジだ。いずれもここで消費した弾薬や体力は戻ってこないので、最初の攻略時に無理をして挑戦する必要はない。自信がなければ、スレイヤーを十分に強化してから挑むのが良いだろう。

収集要素のコンプリートやスレイヤーズゲートの攻略は、キャンペーンモードにおけるやりこみ要素となっている。キャンペーンモード本編のプレイを終え、さらに苛烈な戦いを求めるプレイヤーは、これらの要素も極め、最強のスレイヤーを目指そう。

また、本作にはオンラインに対応した「バトルモード」も用意されており、こちらはスレイヤー1人対デーモン2体の非対称型の対戦モードとなっている。いつもスレイヤーにミンチにされているデーモンたちを自分で操作してみることで、キャンペーンモードでは憎い敵だった彼らに、少しは愛着が湧くかもしれない。

困難に直面したときは、装備の運用の見直しが必要かも

筆者は本作を標準的な難易度の「手加減無用」でプレイしたのだが、エンディングまでに何度命を落としたか分からない。アクションゲームがあまり得意でない場合、途中で挫折する可能性も少なくないと思う(ちなみに難易度は「手加減無用」より簡単なモードがひとつ、難しいモードがふたつと、死亡した時点でゲームオーバーになるなどの特殊モードがふたつの、計6種類が用意されている)。

どうしてもクリアできない局面に遭遇したときは、なんらかのシステムやデーモンの弱点など、一部の重要な要素の存在を忘れ、活用できていない可能性がある。また、画面内に表示されるゲージ類も非常に多いゲームなので、どのゲージがどの装備に対応しているのかしっかり把握して管理することも大切だ(恥ずかしながら、筆者はブラッドパンチのゲージがどこにあるのか分からないまましばらくプレイしており、あるデーモンが出現するたびに大変な苦戦を強いられた)。

大量の選択肢が用意されているにも関わらず、ひとつの要素が適切に運用できないだけで、プレイヤーの生存率は大きく下がってしまう。しかしそれは、本作の戦闘が極めて絶妙なバランスで成り立っている証拠でもある。そしてあらゆる手を尽くしてデーモンの大群を退けたときの達成感・高揚感は格別だ。

コアなアクションゲームファンで、残虐表現に理解がある方には大手を振っておすすめしたい。いわゆる“死にゲー”が好きな方も満足できる困難を、本作は提供してくれるだろう。

あなたが内に秘めた闘争本能を解放し、デーモンたちとの血で血を洗う戦いを生き延びてくれることを願う。

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