Friday, February 5, 2021

アストラゼネカ製ワクチン、高齢者に有効?…「データ不十分」推奨しない国も - 読売新聞

 英アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチン=写真、ロイター=を巡り、高齢者に対する有効性について、国によって判断が分かれている。英国やインドが18歳以上ならば年齢制限なしで接種を承認する一方、ドイツやフランスなどは「データが不十分だ」として、高齢者への接種を推奨していない。日本国内での審査でも、高齢者の接種の是非が論点になる可能性がある。

 アストラゼネカのワクチンは、臨床試験で発症を防ぐ有効性が70・4%だった。年代別の有効性は論文に記載していない。米ファイザーと米モデルナは、65歳以上の高齢者の有効性をそれぞれ94・7%、86・4%と論文で発表している。高齢者は一般的に、免疫機能が下がり、ワクチンも効きにくい傾向があるとされる。

 欧州連合(EU)は先月29日、アストラゼネカ製の18歳以上の接種を承認した。一方、加盟国のドイツやフランスは65歳以上、イタリアは56歳以上の接種を推奨しない方針だ。スイスは今月3日、「十分な情報が提供されていない」として、承認を保留した。米国では、臨床試験の結果が3月中にまとまる見通しで、まだ承認申請がなされていない。

 同社のワクチンは、新型コロナの遺伝物質の一部を主成分としている点では、米2社と同じだが、無害化した風邪のウイルス(アデノウイルス)に遺伝物質を組み込んでいる点が異なる。

 感染症に詳しい浦島充佳みつよし・東京慈恵会医科大教授(公衆衛生学)は、高齢者は新型コロナに感染した時の死亡、重症化のリスクが高いことに触れ、「審査で高齢者への有効性がはっきりしないのであれば、有効性が確認されている米2社のワクチンを高齢者に優先して使うべきだ」と話している。

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